要約

  • インドのDepartment of Telecommunications(DoT)は、4G以上の無線網でCalling Name Presentation(CNAP)を11月1日から導入するよう指示した。利用者の申請は要らない。
  • 2025年に記録されたDoTの見解には、受信者は「手続きに従って」停止を求められるとあった。2026年10月の実施通達は、その手続きを示していない。

分析

通達には、名前がどの事業者の記録から画面へ届くかが書かれている。画面を受け取る側が表示を断る方法は、同じ文書の中に見当たらない。自動表示という新しい標準値と、それを止める操作の説明との間に空白がある。

制度の経緯は単純ではない。Telecom Regulatory Authority of India(TRAI)は2024年2月、加入者が求めた場合にCNAPを提供するよう勧告した。DoTは2025年9月の再照会で、受信者への標準提供を提案し、不要な人は「手続きに従って」停止を申請できると記した。TRAIは翌月、「Noted」と応答した。DoTの2026年10月13日付通達は、11月1日から4G以上の無線網でCNAPを導入するよう各アクセス事業者に命じた。

データ経路は二つの事業者をまたぐ。発信側事業者は、加入者の名前と電話識別子を結びつけるデータベースを維持する。着信側事業者はそこから名前を取得して表示する。受信者の端末に番号が保存されていれば、その連絡先名が優先される。保存されていない国内番号には発信側の加入者記録の名前を出し、国際電話には「International Call」と表示する。端末の個人記録とネットワークの加入者記録が、同じ画面の中で優先順位づけされる仕組みだ。

企業・大量接続の利用者には、別名表示の選択肢があり得る。ただし、事業者が確認する登録商標か、GSTポータルに登録した取引名に限られる。発信側がCalling Line Identification Restriction(CLIR)を使った場合は、名前を表示しない。照会応答の仕組みは通話終了後に名前を保持してはならず、事業者は処理に足る設備を整える必要がある。これらは通達上の要件であり、全社の実装完了を示す運用報告ではない。

受信者への説明は簡素だ。苦情を受け付け、期限を設けて処理する体制は求められるが、具体的な日数も、CNAPの停止申請先も示されていない。誤った名前を直す手続きと、正しい名前でも表示を望まない人の停止手続きは別の機能である。

文書から言えるのはここまでだ。11月1日から対象網の標準設定が自動表示に変わった一方、この実施通達には受信者の停止方法がない。別の有効なDoT指示や公式ポータルに手続きがあれば、この読み方は変わる。事業者ごとの導入実績を確かめるには、DoTの遵守報告か各社の公式確認が要る。

出典

DoT通達 no. 01/Licensing Policy/2026、2026年10月13日 · DoT再照会へのTRAI回答、2025年10月28日 · TRAIのCNAP勧告、2024年2月23日