要約
- ニュージーランドの商業委員会は、携帯基地局の共用を定める旧制度を2001年電気通信法の別表から外すよう勧告した。通信事業者が鉄塔を所有していた時代の規則であり、2023年に資産を買った専門の塔会社には現在の「アクセス提供者」の定義が及ばない。
- 現場では契約による共用が続く。委員会は構造的なアクセス障害を確認していない。一方、TUANZは既存事業者との長期契約が新規参入者の費用や工期を左右すると懸念する。削除の判断は大臣が下し、塔会社を対象にする新規制には別の調査が要る。
宛先だけ昔のまま
基地局の塔には複数の事業者の設備が載る。ところが、共用を命じる規則の宛先は、いまその塔を持つ会社ではない。ニュージーランドの商業委員会は10月27日の最終報告書で、規制された共用サービスは現在「誰にも適用されない」と整理した。設備の共用と、法律に基づく共用請求権。この二つは同じ言葉で呼べても、行き先が違う。
委員会は同日の発表で、2001年電気通信法の別表1から当該サービスを削除するよう大臣に勧めた。大臣には採用、拒否、説明の要求という選択肢がある。条文はまだ残っている。契約の現場からは、先に退場していた。
制定当時、携帯通信事業者は基地局の用地と塔をおおむね支配していた。競争相手の装置を自社の塔に載せる理由は乏しい。共用制度はその門を開き、委員会によれば2009年の2degrees参入や既存網の拡張を助けた。規制の相手と物理的な支配者が一致していたから、命令に意味があった。
2023年、Spark、One NZ、2degreesは受動的な鉄塔資産をConnexaとFortysouthに売却した。専門会社の収益は塔の入居者が増えるほど伸びる。だが、旧規則の「アクセス提供者」は携帯電話網を運用する者を指す。塔会社は塔を運営しても、携帯電話網は運用しない。委員会の大臣宛て書簡は、この条文には現時点で機能も安全網としての効力もないと述べる。
借り手を増やす商売の盲点
資産売却後の三年以上、塔へのアクセスは商業交渉で進み、委員会が介入した事例はない。ConnexaとFortysouthは互いに、また小規模な提供者とも競争する。地方では無線アクセス網の共有、ローミング、近接地への設置も選択肢になる。委員会は、アクセスが市場全体で妨げられている証拠を見いださなかった。旧条文を残す積極的な理由は薄い、という判断である。
利用者団体TUANZは、別の角度から塔の門を見る。既存の携帯事業者との長期契約が場所を押さえ、後から来る事業者に高い料金、遅い工期、不利な条件を残すかもしれない。塔会社に新しい借り手が欲しくても、重要な場所の契約には既存顧客との約束がある。TUANZは規制上の後ろ盾を求めた。One NZは旧制度の撤去を支持した。
委員会は、現在の条文ではTUANZの指摘した問題を処理できないと答える。容量の予約、優先順位、塔ごとの入居者数は規制の対象外だ。塔会社自体も対象外である。調査には、携帯事業者以外から塔会社へのアクセスを拒まれたという提出もなかった。ただし、報告書には新規参入者が実際に受け取った料金表や待ち時間の比較表もない。後に紛争が生じれば、契約条件と現場の容量が証拠になる。
今回の調査は既存サービスを残すか消すかを扱い、「アクセス提供者」を書き換える手続ではない。塔会社に新しい義務を設けるなら別表3に基づく別の調査が必要だ。委員会は年次監視と必要に応じた市場分析を続ける。大臣が条文の行方を決める間も、将来の競争相手が向かう窓口は塔会社の契約担当者である。
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