要約

  • Webvanはウェブ店舗、機械化した倉庫、時間帯を指定する宅配を一つの仕組みとして組み立てた。
  • 同社によると、どの施設も一日当たりの注文数が設計値を大きく下回り、施設単位の採算に必要な水準にも届かなかった。大型センターの稼働は設計能力の40%未満だった。
  • 2000年の純売上高は1億7845万6000ドル、純損失は4億5328万9000ドル。営業活動で使った現金と設備投資も、それぞれ別の負担として記録された。

注文が通ると、建物が動き出す

Webvanの店舗画面は、客の住所を担当する施設にある商品を表示した。客が商品を選び配達枠を予約すると、注文は在庫管理から倉庫管理へ渡り、コンベヤー、回転棚、手作業の棚を経て配送ルートに載る。2000年のForm 10-Kは、ウェブ店舗、配送施設、配達網を統合した事業設計と記している。クリックの先で働く設備を、サイトの使いやすさから切り離すことはできない。

大型施設はオークランド、スワニー、キャロルストリームにあり、それぞれ約35万平方フィート。HomeGrocerの買収で加わった小型の注文処理施設は約10万~12万5000平方フィートだった。冷蔵・冷凍の区画、搬送機械、人員、車両は、次の客が注文する前から費用を発生させる。店舗の営業時間をウェブ上で伸ばすのは簡単でも、倉庫の固定費は画面を閉じても消えない。

8000件は実績ではなく設計値だった

年次報告書が示す設計能力は、大型センター一日8000件、小型施設2500件。だが、実際の一日平均注文数は、すべての施設で設計能力を大幅に下回っていた。各施設が黒字化するのに必要な注文数にも届いていない。大型センターの稼働は設計能力の40%未満、小型施設は70%未満だった。

報告書には都市ごとの正確な日次注文数や採算表がない。各施設の時間別・日別の帳簿があれば、どこで注文が増え、どこで止まったかを確かめられる。公開された数字から分かるのは、採算を支える量より先に、量を受け入れる箱が完成していたという順序だ。

同社は、商業注文を実際に処理する以外に、設計上限近くでこの仕組みを試す現実的な方法はないとも書いた。過去の注文量では限界付近の性能は未検証であり、大型センターが設計能力に達するまで数年を見込んでいた。到達の保証もなかった。実験装置は研究室ではなく、毎日食品を保管し人を雇う倉庫そのものだった。

資金の時計は止まらない

1999年に結ばれた建設契約は、配送センターを最大26か所まで設計・建設するものだった。「最大」は完成数ではない。2000年9月のHomeGrocerとの合併後には、取得した施設をWebvan共通の技術基盤へ移す作業も加わった。報告書にある最初の転換は2001年1月、サンディエゴの施設である。既存設備の余力を抱えたまま統合作業が進んだ。

2000年の純売上高は1億7845万6000ドル、純損失は4億5328万9000ドル。営業活動による現金支出は2億6310万ドル、設備投資は2億5980万ドルだった。純損失には倉庫の低稼働以外の費用も含まれる。会計上の損失と二種類の現金支出を一つの数字にまとめるべきでもない。それでも、注文量を待つ間に物理的な事業が資金を要したことは明瞭だ。

米証券取引委員会の後年の記録は、2001年7月13日のChapter 11申請を記す。四月に提出された年次報告書の価値は、結末を知っていたことにはない。建物はすでに存在し、その設計を実証する注文はまだ存在しなかった、という同時代の記録にある。

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