Summary

  • Ticketmasterは1999年7月、Tickets.comによる公演ページへの直接リンクや、公演情報の取得などを問題として提訴した。2000年8月に仮差止めは認められず、2001年1月に上級審もその判断を維持した。
  • 2003年3月、Ticketmasterの請求は契約違反を除いて退けられた。残った州法上の請求は連邦裁判所の管轄がなくなり、再提訴を妨げない形で終了。3月25日に連邦訴訟の最終判決が出た。

ウェブの住所は、玄関から順に歩くよう客に命じない。公演名を知っている人は、その公演のページへ直接行ける。1990年代末のTicketmasterにとって、この当然の動きは商売の境界に触れた。同社は公演のチケットを扱う。一方、Tickets.comは別の場所で公演を見つけた客を、Ticketmasterの販売ページへ送り込めた。決済の持ち主と発見の持ち主が分かれたのである。

TicketmasterとTicketmaster Online-Citysearchは1999年7月23日、Tickets.comを訴えた。2001年度のForm 10-Kには、同意のない内部ページへのリンク、サーバーへの組織的なアクセス、公演ページの複製、URLと公演情報の抽出などの訴えが並ぶ。両社の関係について利用者を誤解させたとも主張した。ここに並ぶのは原告側の申し立てであり、確定した事実の一覧ではない。ただし狙っている対象は明瞭だ。客が押すリンクと、案内を作るために情報を集めるプログラムの両方だった。

Ticketmasterは2000年3月、その二つを止める仮差止めを求めた。直接リンクに加え、自動巡回、システムへのアクセス、ページのコピーなどが対象だった。7月の審理を経て、裁判所は8月に申立てを退けた。同じSEC提出書類によると、2001年1月には控訴審も差止めを認めない判断を維持した。Ticketmasterがまず求めた通行止めは実現しなかった。

Tickets.comも反撃した。Ticketmasterと会場、興行主などとの排他的な契約が競争を傷つけるとして、独占禁止法に基づく反訴を起こしたのである。これもTickets.com側の主張であって、当時の市場について裁判所が認定した結論ではない。両社は同じリンクを別の方向から見ていた。一方には、自社サイトへの無断の入口。もう一方には、他社が独占販売する公演へ客を案内するための道。切符の販売権を握っても、客が最初に開く案内ページまでは握れない。

仮差止めの失敗後も訴訟は続いた。USA Interactiveの2002年度Form 10-Kは、2002年9月の調停が不成立に終わったことと、翌年3月3日の判断を記す。裁判所はTickets.comの連邦・州の反トラスト反訴を退けた。同時に、Ticketmasterの請求も契約違反を除き退けた。著作権などの主張で入口を塞ぐ道は閉じ、サイト利用条件をめぐる契約問題だけが残った。

その契約問題についても、この連邦訴訟で本案の決着は付かなかった。連邦請求がなくなり、裁判所は3月17日に残る州法上の請求を、管轄権の欠如を理由に再提訴を妨げない形で退けた。親会社の2003年度Form 10-Kは、3月25日に連邦訴訟全体の最終判決が出たと記す。Ticketmasterは自社請求の棄却について交差控訴をしなかった。同書類ではTickets.comの反トラスト控訴は当時まだ係属中だった。

結末を一行の勝敗表にすると、この事件で分かれたものが見えなくなる。仮差止め、著作権などの請求、契約によるアクセス制限は、それぞれ別の問いだった。Ticketmasterの販売権は実在した。しかし、その販売ページを誰が見つけ、誰が客を直接送り届けられるかは別の競争だった。ブラウザは切符の在庫を移さず、客の動線だけを移した。

原資料