要約

  • 新しい数が素数であることの検証と、小さい順に何番目かを決める作業は別々に進んだ。
  • GIMPSは2018年4月に小さい候補の検証を終え、2008年の記録を47番目のメルセンヌ素数と確定した。

12,978,189桁もあれば、登場した瞬間に注目される。それでも、この素数は自分の並ぶ場所が決まるまで長く待つことになった。

GIMPSが2^43,112,609 − 1を発見したのは2008年8月23日。Edson Smithが管理するUCLAのコンピューターで、34日間の計算を経て見つかった。当時知られていた最大の素数であり、9月の発表はその成果を祝っている。別のプログラムとハードウェアを使う独立した検証も行われた。

メルセンヌ素数は2^p − 1という形をしている。目の前の候補が素数かどうかは、その数を調べればよい。小さい順に何番目なのかを確定するには、手前に見落としたメルセンヌ素数がないことも確かめる必要がある。発見を祝う準備と、名簿を締める準備には、違う仕事があった。

公式の節目の記録を見ると、その差がはっきりする。これより小さい指数がすべて少なくとも一度はテストされたのは2012年9月5日。手前の検証が完了したのは2018年4月8日で、47番目のメルセンヌ素数という位置が確定した。プロジェクトの歴史には、2008年9月と2009年6月に、後からもっと小さい素数が見つかったことも記されている。発見順の列と、大きさ順の列は別だった。

もう一度計算する理由は、機械の側にもある。George WoltmanとScott Kurowskiは当時の論文で、初回テストのエラー率を約2%と報告している。長時間の計算には、メモリーの破損や過熱などの問題が入り込む。定理が涼しい顔をしていても、それを計算するパソコンには冷却が要る。

新たな素数は、第三者が異なるソフトと機械ですぐに確認した。一方、合成数と判定された候補は、資源の制約から同じソフトで再テストし、結果の最後の64ビットを照合した。開始時にはランダムなビットのずらしを加え、計算が扱うデータを変えることで、プログラムの不具合が同じ答えを繰り返す危険を減らした。「もう一度」にも設計があった。

中央サーバーが仕事を配り、参加者のコンピューターが計算して結果を返す。進捗報告やチームの順位表も、参加を続ける楽しみになった。そこで繰り返し返ってくる「今回も素数ではなかった」という答えは、探索済みの範囲を確かなものにしていく。2008年の主役が2018年に立ち位置を確定できたのは、拍手の後も計算を続けた人たちのおかげだった。