要約

  • GACは10月26日のバリ声明で、理事会やICANNコミュニティとの関係を調べる既存の任務を丸ごと残し、提案中の二つの審査へ重複なく割り当てるよう求めた。
  • 現行定款はGAC自身の内部審査をGACに委ねる一方、政府の助言がICANNでどう扱われるかの評価を説明責任・透明性審査に置く。6月案は後者を構造審査へ移す。

「GACを調べる」と聞けば、委員会の中身を点検する話だと思いがちだ。ところがICANNの現行定款には別々の二つの仕事がある。4.4(b)は政府諮問委員会に自らの審査方法を用意させる。4.6(b)(ii)(B)は、GACが理事会やコミュニティとどう関わり、DNSの技術的調整について政府の政策意見がICANNでどう考慮されるかを評価する。後者は現在、説明責任・透明性審査の対象だ。

6月の制度改革草案は、定期審査を説明責任・透明性審査と新たな構造審査に組み替える。脚注は、GACと理事会・コミュニティとの関係の評価を構造審査に置くと明記した。書類の移動先は分かった。調べるべき問いの全体がそこへ届くかが、次の問題になる。

GACは10月26日のバリ声明で、4.6(b)(ii)(B)の実質的な範囲を丸ごと残すよう求めた。二つの審査の分担は漏れなく、重複なく。加えて4.4(b)に基づく自前の審査の仕組みも維持したいという。内部運営を誰が評価するかと、ICANNが助言をどう扱ったかを誰が評価するかは、同じ「審査」でも責任の向きが違う。

この論点は8月のGAC意見書にもあった。広い構造審査や必要時の審査が、GACの内部審査と重なりかねない。相互関係の評価を移すなら、従来の内容を保ち、説明責任審査との境界を引くべきだと訴えていた。今回の声明は、その宿題を次の草案へ持ち込んだ。

ICANNの公開協議ページによると、初回には23件の意見が集まり、作業グループは再度意見を募るため第2草案を準備している。6月案の新制度には定款改正も必要だ。次の紙面で確認したいのは組織図の美しさではない。政府の助言の行き先を調べる担当者が、調査票を全ページ持っているかどうかだ。