要約

  • 1997年3月にgenx.netの取り組みが終わると、仕事を一時保管していた代理が配布と完了記録を引き継いだ。
  • 各端末の備蓄、共通の記録、貢献の集計が、離れたパソコンの計算を共同の進捗に変えた。

パソコンはある。協力する人もいる。ところが仕事を取りまとめるサーバーが消えた。1997年の鍵探しは、暗号の難しさを考える前に、担当者不在の窓口をどうするかという難題に出会った。

RSA Labsの公開チャレンジでは、候補を試して秘密鍵を探した。RC5のプロジェクト説明によると、サーバーが探索を小さな作業単位に分け、参加するプログラムへ渡す。それぞれのパソコンが担当分を終えれば、全体の記録に戻す。計算を分ける仕組みには、結果をまとめる場所も要った。

留守番が本業になった

Jeff Lawsonが作った代理サーバーは、もともとgenx.netのサービスが止まっている間の備えだった。プロジェクトの起源を説明する記録では、上流が戻るまで完了した仕事を保管するつもりだったという。帰りを待っていた留守番が、そのまま家を切り盛りすることになった。

公式の年表は、旧サーバーが消えた日を3月18日、旧プロジェクトが続かないと確認した日を3月24日としている。新しい代理ネットワークが公開され、Lawsonのソフトウェアは仕事を順序立てて割り当て、調べた鍵を記録する側へ回った。預かる係から、次を決める係への転身だった。

大量のパソコンには大量の計算ができる。ただ、どこを誰に渡し、どこから結果が戻ったかを覚えていなければ、同じ場所を何度も熱心に調べかねない。引き継いだ台帳は、参加者の時間を共同の前進に変えるための足場だった。

弁当を持たせて働いてもらう

7月のクライアントには、最大50ブロックの備蓄、終了シグナルを受けた際のブロック途中での中断、代理に障害が起きた際の別の代理の自動探索が加わったと年表にある。参加する机上のパソコンには、普段の用事もある。手元に次の仕事を置けることが、接続の都合に振り回される余地を減らした。

貢献を数える仕組みも整っていく。4月には運営者ごとの統計があり、5月にはプロジェクト全体の統計が登場した。9月には、中央の調整サーバーが必要とする帯域が128KのISDN回線の容量を超えたと記録されている。計算は各地に散らせても、配布と回収の仕事は特定の場所に集まった。

勝ったのはMacではなかった

10月22日の公式発表は、19日に鍵を発見し、RSA Labsの確認を得たと伝えた。発見したのは、ブリュッセルのSTARLab Bovine Teamに参加するPeter StuerのPentium Pro 200。OSはWindows NT Workstationだった。

チームをまとめたJo Hermansは、Macintoshに勝ってほしかったという。チームの計算力の最大の部分をMacが担っていたからだ。賞金で買えるビールにも思いを巡らせていた。発表にある配分は、勝者側の祝いに1,000ドル、Project Gutenbergに8,000ドル、distributed.netに1,000ドル。暗号の勝利で最も大きな取り分を得たのは、電子書籍づくりだった。

優勝した一台には名前が残る。その一台が役立つ順番をもらえた理由は、3月の引き継ぎと、その後の地道な配布、回収、記録にある。パソコンの空き時間を持ち寄るだけでも魅力的だ。昨日までに何を終えたか覚えている人がいて、ようやく続きを始められる。