要約

  • AIB Data Centers Inc. は、総額1,722万5,400ドルのテキサス州の関連取引を9月11日に同時決済したと報告した。
  • 残金600万ドルは電力会社側の設備完成に連動する。一方、175万4,640ドルの別のスタンドバイ信用状は電力会社に対する義務を担保する。

残金の支払いを待てることと、施設が収益を生むまで支払いを待てることは違う。AIB の今回の買収では、その差が電力契約の定義に表れている。

9月11日の提出書類によると、9月4日に締結した相互依存の二つの取引は同時に完了した。約5エーカーの区画Aは決済時払いの825万ドル。隣接する約24.385エーカーの区画Bは、土地取得権を持つ有限責任会社の全持分を購入する構造だった。土地売買契約などは、その会社への土地所有権移転と両取引の同時決済を条件にしている。二つの区画を一件の直接売買で取得した、と説明するのは正確ではない。

区画Bの対価897万5,400ドルのうち、297万5,400ドルは決済時、600万ドルは所定の解除日に支払う。持分取得契約と添付電力契約では、この日を電力会社側の設備供用日と結びつけ、供用日を同社の設備建設完了と定義している。

これは顧客側の設備が稼働した日ではない。電力契約の所定稼働水準には、顧客設備の完成、受電開始、受渡地点での最大電力需要3万2,000キロワットという別の要件がある。需要の計測値は、賃貸済みの IT 負荷を表す数字でもない。区画Bの一次側電力サービスは40メガワット、区画Aの契約は15メガワットだが、合計55メガワットのデータセンターが稼働したという開示にはならない。

信用状も役割を分けて読む必要がある。JPMorgan Chase Bank, N.A. は決済時に、区画Bの売り手を受益者とする600万ドルの信用状と、電力会社を受益者とする175万4,640ドルの信用状を発行した。前者は残代金、後者は電力契約上の履行を支える。銀行が支払えば AIB に償還義務が生じる。

残代金600万ドルと、それを担保する同額の信用状を足せば、同じ購入対価を二重計上する。信用状の額面を支出済みの現金と見ることもできない。今回の書類は実際の引き出しや債務不履行を報告しておらず、電力会社向け信用状があらゆる責任の上限であるともしていない。

売り手向け信用状には、電力契約上の未治癒の違反、特定の倒産手続き、未更新などに関する引き出し条件もある。条項が存在することを、違反が起きた証拠と混同してはならない。

買収完了は確かな前進だ。ただし、次の支払いを発生させる電力会社の工事完成と、顧客設備の稼働実績は、なお別々に確認すべき事実である。