要約
- HTML 3.2はIMGのaltを音声・テキスト専用ユーザーエージェントに不可欠と説明したが、DTDでは#IMPLIED。AREAのaltは#REQUIREDだった。
- HTML 4.0はIMGとAREAの両方でaltを必須化し、WCAG 1.0はすべての非テキスト要素にテキスト等価物を求めた。
分析
食い違いは、ひとつの勧告の中にある。HTML 3.2はIMGのalt属性を、音声やテキストのみのユーザーエージェントとの相互運用に不可欠だと説明する。ところが、検証器が強制できるDTDの文法では、srcが#REQUIRED、altは#IMPLIEDだった。肝心の文字がなくても、その文法には合格できる。規格は目的を語っているが、なぜ必須にしなかったかは説明していない。
この差はHTML 2.0にも見える。1995年11月のRFC 1866は、ユーザーエージェントがSRCの画像リソースの代わりにALTの値を処理してよいとした。DTDでもIMGのaltは任意だった。1997年1月14日付のHTML 3.2は、1996年初頭の推奨実践を記録することを目指し、この文法を保ったまま相互運用性の重要性を強調した。助言と機械検査できる規則は、別の道を進んでいた。(RFC 1866、HTML 3.2)
AREAは画像内のクリックできる領域を表す。HTML 3.2のDTDは、各AREAのaltを#REQUIREDとし、非グラフィカルなユーザーエージェントに必要だと注記した。説明文によれば、そのラベルを並べてイメージマップのテキストメニューにできる。同じDTDが画像本体のaltは省略可能としながら、クリック領域の名前は必須にした。文書から分かるのは規則の差であり、制定者の動機ではない。
- HTML 4.0 Recommendation(1997年12月18日)
- HTML 4.0 Strict DTD 1997年12月18日勧告のHTML 4.0は、IMGも必須側に移した。IMGとAREAの両方でaltが#REQUIREDとなり、作者は属性を指定しなければならない。ただし、すべての画像に長い説明が要るわけではない。ページの体裁を整えるだけの画像なら、空文字列が適切だとHTML 4.0は述べる。文法が検査するのは選択の有無で、選択の良し悪しではない。(HTML 4.0:オブジェクトと画像)
1999年3月のWAI技術文書は、HTMLの版ごとに使える方法を整理した。HTML 4.0ではIMGとAREAのaltが必須、HTML 3.2ではより多くの要素に指定でき、HTML 2.0ではIMGに指定できる。古い形式を扱えないユーザーエージェント向けには、本文中に等価情報を書くか、詳しい説明へリンクする方法を勧めた。2か月後のWCAG 1.0チェックポイント1.1は、すべての非テキスト要素にテキスト等価物を求め、優先度1とした。レベルAは優先度1の全チェックポイントを満たす必要がある。義務の範囲は単一属性から、非テキストが運ぶ情報へ広がった。(WAI技術文書、1999年3月24日、WCAG 1.0)
役割の違いは明快だ。本文は必要性を説明し、DTDは属性の欠落をはじき、執筆指針は特定タグを越えて対象を広げる。それでも、書かれた説明が画像の役割を伝えているかまでは分からない。当時の読者が何を見聞きしたのかを測るには、日付のあるページ標本と、ブラウザーや音声ユーザーエージェントの対応記録が必要だ。両者がそろえば、省略と実装の割合を確かめられる。
出典
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