• Grundfos によると、冷却はデータセンターのエネルギー使用量の最大40%を占める可能性がある
  • 同社は可変速ポンプに加え、電力効率と水使用効率の間にあるトレードオフを強調した

事実

AI ワークロードによって電力と冷却の要件が高まるなか、Grundfos は英国のデータセンター事業者に対し、冷却システムの効率に一層注意を払うよう呼びかけた。同社は、特に常時稼働する設備向けの可変速ポンプと制御機能を強調した。こうしたポンプは、終日一定の出力で運転するのではなく、冷却需要の変化に応じて水の流量を増減できる。

英国政府の「Compute Evidence Annex」によると、冷却はデータセンターの総エネルギー消費量の最大40%を占める可能性がある。同文書は、GPU の電力要件の増大とサーバー構成の高密度化が、冷却システムへの負荷をさらに高めるとも指摘している。Grundfos は、水を利用する一部の冷却方式では電力消費を減らす一方で水需要が増える可能性があるため、節電効果を水使用量と併せて検討する必要があると述べた。

Uptime Institute の2026年調査では、業界平均の電力使用効率(PUE)は1.52だった。新しく大規模な施設では1.3以下に達することもある一方、古い施設が残っていることは、業界全体の平均値の改善が緩やかな理由の一つとなっている。

分析

冷却効率は、施設内で発生する熱にシステムがどれだけ的確に対応するかに左右される。高効率のポンプであっても、IT 機器が必要とする以上の水を循環させれば、不要な電力を消費する可能性がある。ASHRAE の AI データセンター向け枠組みは、可変速でのポンプ運転、流量制御、温度センサー、冷却制御を、熱管理を構成する相互に関連した要素として扱っている。

そのため、ラック密度やワークロードが変化するにつれて、試運転・調整と日々の制御の重要性が増す。施設チームは、各エリアに必要な冷却水の流量を把握し、それに応じてポンプ速度と温度設定を調整する必要がある。水使用量も電力消費量と併せて測定する必要がある。Uptime Institute による乾式冷却と蒸発式冷却の調査では、設計と運用方法が性能に大きく影響し得ることが分かっており、PUE と併せて水使用効率(WUE)を検討するよう推奨している。

したがって既存施設は、主要機器を交換する必要があるかを判断する前に、冷却システムの運転方法に非効率がないかを調べることができる。流量、ポンプ負荷、温度、PUE、水使用量は、熱負荷への対応に必要な水準を超えて機器が稼働している箇所を示す手掛かりになる。BTW の読者にとっては、個別部品の効率等級よりも、運転設定や制御を変更した後の実測性能の方が、より有力な証拠となる。

今後の注目点

特に高密度の AI ラックを追加する施設で、事業者が冷却システム改修前後の電力・水使用データを公表するかに注目したい。PUE、WUE、ポンプの消費電力、冷却の信頼性の変化から、制御の改善が、問題を電力消費から水使用へ移すことなく付帯負荷を減らしているかを判断できる。