Summary
- Arcusは10月27日、Volta Data CentresがLunar DigitalからマンチェスターのReynolds House事業を取得したと発表した。Lunar Digitalのブランドは取引対象から外れた。
- 発表時点のIT設備容量は約1.45MWで、2.5MWへの拡張が計画されている。Arcusは約25の通信事業者が拠点に入り、Lunarが約60の顧客にサービスを提供していると説明する。
建物の中で価値を生むもの
データセンターの買収を床面積だけで測ると、Reynolds Houseの肝心な部分を見落とす。Arcusの発表によれば、この建物はマンチェスターの通信集積地にあり、約25の通信事業者とLondon Internet Exchangeの接続点を擁する。顧客がそこで機器を動かす理由は、別のネットワークへ近いことにある。
Voltaが引き受けるのは稼働事業で、一部の従業員も移る。一方、Lunar Digitalの名はLunarに残る。事業と看板の所有者が分かれる以上、移行期に問われるのは看板の印象ではなく、接続の申込みが届き、作業が実行され、既存顧客が同じ通信相手に到達できるかだ。
Voltaにとってマンチェスターはロンドン以外で初めての拠点となる。7月のArcusの説明では、ロンドンの施設は6MW。今回の約1.45MWは規模の追求だけでは説明しにくい。別の都市で既に形成された接続網を取り込む取引と見る方が、買い手の行動を正確に捉えられる。
ただし、現に設置された約1.45MWと、計画値の2.5MWには距離がある。差の約1.05MWは現有設備の約72%に当たる。電力、冷却、内装、顧客の契約がそろって初めて売れる容量になる。発表には増設の稼働日も費用も記されていない。
売買金額と顧客契約の移管内訳も公表されていない。約60という顧客数はLunarの事業の規模を示すが、Voltaの将来収益をそのまま表す数字ではない。買い手の評価には、契約更新日、回線接続の権利、通信事業者の残留条件、増設電源の引渡し日が必要だ。これらが明らかになれば、この取得が単なる二都市目の住所なのか、強い相互接続事業なのかが見えてくる。
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