要約

  • BEREC議長のMarko Mismasは10月14日、EUのDigital Networks Act案で競争を独立した目標として維持するよう訴えた。
  • European Commission案は有効競争と通信分野の競争力をすでに別々に掲げ、目標に優先順位を付けないとしている。立法手続きは継続中だ。

今回の発言は、提案から「競争」という言葉が抜けていると指摘したものではない。投資促進や欧州産業の競争力が前面に出るとき、競争が条文上は残っていても、実際の判断で独自の意味を失わないかという問いだ。ドイツで開かれたWIK年次会議でMismasは、Digital Networks Actの競争力重視を歓迎する一方、競争はそれ自体が目的であるべきだと述べた。BERECの会議報告によると、同氏は競争が価格低下、サービス向上、イノベーション、投資を支えてきたと論じた。これは報告された発言の内容であり、本稿が独自に因果関係を検証した結果ではない。

「競争力」と「競争」は同じ概念ではない。前者は欧州のデジタル産業やインフラが世界市場で持つ力を指し得る。後者は事業者間の有効な競り合いと、利用者の選択、価格、品質、革新への影響を問う。両者は両立し得るが、一方が他方を保証するわけではない。投資によってネットワーク容量が増える一方、事業者の構成が変わり競争圧力が弱まることもあり得るため、規制判断では双方を見る必要がある。

European Commissionが1月21日に採択した提案は、すでに両方を掲げている。第3条1項(a)は投資や先端インフラを通じて接続分野と産業全体の競争力を高めることを目標にする。別の項目は有効競争を通じたエンドユーザー向けサービスの提供を挙げる。同じ項は、一般目標を優先順位順に並べていないと明記する。これは競争を常に最優先にする規定ではないが、競争力の下位に明示的に置く規定でもない。交渉の変化を追う基準はCOM(2026) 16の提案本文だ。

提案はまだ法律ではない。EUR-Lexは2026/0013/CODを、European ParliamentとCouncilが関与する進行中の通常立法手続きとして掲載している。Mismasの発言は交渉中の政策的な働きかけであり、立法機関の決定ではない。現時点の記録からは、同発言がその日に別途採択されたBEREC規制者委員会の意見だとも確認できない。手続きページが現在の段階を示す。

市場データは背景を与えるが、規範上の選択を決めるものではない。BERECの10月1日付「Europe’s Telecom Reality Check」は、EU27か国を米国、カナダ、豪州、中国、韓国、日本、英国と比較している。主に2019~2024年の傾向を対象に、接続状況、品質、価格、事業者の財務状況、規制手法を扱う。この比較は欧州通信市場の現状に関する主張を検証する材料になるが、法的な目標の重みを決めたり、特定の規則が結果を生んだと単独で証明したりはしない。報告書のページは対象を説明している。

ルールの執行能力も問われる。BERECは6月2日、Digital Networks Actのガバナンスに関する正式な見解で、各国規制機関の独立性と資源、Office for Digital Networksの役割、BERECの投票と作業体制について懸念を示した。この文書は10月の発言の出所ではないが、政策目標は誰がどの権限で実施するかに依存することを示している。BERECのガバナンス見解はその論点を詳述する。

今後は、最終条文が競争と投資を別々に判断できる目標として維持し、各機関が権限の範囲内でどう扱うかを明確にするかが焦点になる。現行案では有効競争はすでに独立した非優先順位の目標だ。改正文と実施の記録で、その位置が実質的にも残るかが分かる。

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