要約
- S7-2026-33案は、取引所法規則14a-13に基づくブローカー調査の最低期間を20営業日から5営業日に短縮するが、ブローカーと銀行には現行規則で最大7営業日の回答期間がある。
- SECは、回答が提案の調査期間を過ぎれば基準日までに届かない可能性を指摘し、回答期間も3日などに短縮すべきか意見を求めている。
米証券取引委員会(SEC)は、委任状制度の近代化案に時間配分のずれを残した。リリース33-11439、34-106385、39-2566は、取引所法規則14a-13に基づき発行会社がブローカー調査に設ける最低期間を、20営業日から5営業日に短縮する内容だ。しかし別の時計は変わらない。規則14b-1(b)(1)のブローカー・ディーラーと、規則14b-2(b)の銀行は、回答まで最大7営業日を認められている。
これは単なる文言上の不整合ではない。株主承認を求める会社は、誰が議決権を持つかを決める基準日を設定する必要がある。SECは現行の20日待機が取引を遅らせ、市場変動や規制変更に伴う不確実性を高めると説明し、争奪選挙も影響を受ける場面として挙げる。ただし調査を早めても、仲介者が自社証券の実質保有者である顧客数の概算を同じ期限内に報告するとは限らない。
SECが示す懸念は限定的である。会社が提案上の最低5日を用い、仲介者が許容された7日を使い切れば、回答は基準日までに届かず、案の実用性が制約される可能性があるという。すべての仲介者が最長期間を使う、すべての会社に影響する、または株主が必ず投票機会を失うとは述べていない。SECは、調査はしばしば最短3日で完了し得るという職員の見解も紹介しているが、これは帰属を明示した評価であり、業界全体の一律な実測値ではない。
SECは調整策も意見募集にかけている。回答期限を例えば3営業日に短縮しつつ、銀行間の株主特定については1営業日の回答期間を維持する案である。これは採択済みの規則ではなく、二つの期限をどう整合させるべきかという選択肢だ。
より短い期間には別の潜在的効果もある。基準日情報が漏れる時間を短縮し、実質的な経済的エクスポージャーがないまま議決権を得るために株式を借りる、いわゆるエンプティ・ボーティングを抑える可能性をSECは挙げる。ただし、現行手続で漏えいやエンプティ・ボーティングが常態化しているとの認定ではない。SECは、金融機関が議決権行使のために貸株を回収する時間を十分に確保できるかも尋ねている。エンプティ・ボーティングが減る規模は不確実で、実証研究の結果も一様ではないとする。期間短縮は、仲介者の処理能力や遅延・不完全な回答への対応という課題も生む。
S7-2026-33は施行済みの法律ではなく、提案段階にある。SECは2026年9月16日に公表し、9月21日にFederal Registerへ掲載された。意見提出期限は11月20日。年次報告書の送付、参照組込み資料の期限、一部の免除勧誘に関する提出義務、委任状表紙の連絡先表示も提案に含まれる。株主提案を扱う別件S7-2026-32は、今回の時間調整とは別の案件だ。
問われているのは単に5日が20日より速いかではない。調査、仲介者の回答義務、基準日の決定が一つの実行可能な順序をつくるかどうかだ。SEC自身が提案の中で依存関係を示した。意見募集では、発行会社、銀行、ブローカー、投資家が各期限を調整できると考えるかが明らかになる。
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