Summary

  • GAOは2023、24会計年度の交付データを照合し、取引時点でSAMの除外記録に載っていた137事業体に関わる2074件を特定した。関連する契約・助成の義務額は2025年2月時点で6億2620万ドル。適格性は交付した機関が一件ずつ判断する。
  • 対象となった除外記録17万2091件のうち12万8818件に一意の事業体識別子UEIがなかった。個人など、そもそもUEIを要求されない記録も多い。番号だけによる照合は、その部分に届かない。
  • GAOが選んだ九つの適格性データ源にはすべて品質上の問題があった。省庁横断の必須ルールを作って執行する権限を持つ機関もない。GAOは財務省を主導機関とする明示的な権限付与を議会に検討するよう求めた。

数字が鮮明な場所ほど、見えない境界がある

連邦政府が契約や助成を決め、資金を支払う際には、相手に受け取る資格があるかを確認する。GAOの調査によれば、判断に使える連邦のデータ源は百を超す。2025年9月の時点で、そのうち28件は財務省のDo Not Payに入っているか、追加対象だった。資料が多いことと、資料同士がつながることは別の能力である。

GAOは2023、24会計年度のUSAspending.govの交付記録と、SAMの事業体登録、SAM Exclusionsの除外記録を一意の事業体識別子UEIで結んだ。交付記録2030万件のうち、有効なUEIを持つものは1280万件、UEIのないものは740万件、無効な番号は2969件。番号がない交付記録の大半は、UEIを要しない集計された財政支援だった。一方、除外記録17万2091件では有効なUEIが4万1822件、番号なしが12万8818件、無効が1451件だった。個人に関する除外など、番号がなくても規則に反しない記録が含まれる。

つながった範囲では、取引の時点で有効な除外記録に載っていた137事業体への交付が2074件あった。2025年2月時点の義務額は6億2620万ドルに達する。交付機関は除外の対象、期間、例外、取引内容を照らして判断する必要がある。GAOが実施したのはファイル間の接続テストだ。個々の交付について違反や不正の判決を出したわけではない。ここで数えるべきものは、審査すべき案件と、同じ方法では審査対象に載せられなかった領域の両方だ。

番号のない除外記録を一律に「入力ミス」と呼ぶのも筋違いだ。個人の記録や個人情報を守るために集計された支援には、識別子を置かない制度上の理由がある。では適法に番号がない場合、名前や住所などのどの情報を使い、同姓同名をどう扱い、誰が誤検知を訂正するのか。台帳を一冊増やすより、その接合手順を一つ決めるほうが難しい。

九つの台帳に、九つの事情

報告書本文は、Do Not Payで使われるか追加予定の公開データ源から、事業体情報を持つ九つを選んで調べた。九つすべてに欠損や無効値、重複などの品質上の問題があり、七つには他のデータ源との不整合もあった。この選定は百以上の情報源全体を代表する無作為抽出ではない。だが、各機関が自分の法律と業務のために作った情報を、別の機関が支払適格性の判断に使うという構図は鮮明だ。

この三十年以上、連邦の法律や指針は標準化、共有、再利用を掲げてきた。GAOが見つけられなかったのは、受給資格データについて各省庁に必須の相互運用ルールを課す権限を与えられた機関である。協議会は知恵を集められる。行政機関は好事例を示せる。データの持ち主が採用するかどうかは依然として任意だ。共通の会議体と共通の検証規則の間には、権限という一枚の紙が欠けている。

GAOは、議会が財務省に明示的な主導権を与え、最高データ責任者会議と協力し、行政管理予算局と協議しながら、定義、データ辞書、検証ルール、開示要件を定めることを提案した。財務省の財政サービス局も明確な権限の必要性を認めた。行政管理予算局はコメントしなかった。2026年7月時点で議会への提案は未解決だった。財務省が接続ルールを作ることと、交付機関が各案件を裁くことは、分けて設計すべき仕事である。

2074という数字は、政府がどこまで見えるかを示した。12万8818という数字は、見える範囲そのものを誰が決めるのかと問う。

Sources