Summary

  • Prosperoでは、利用者や管理者が遠隔のファイルと索引を仮想ディレクトリに編成できた。データを移動したり内容を解釈したりする仕組みではない。
  • 1994年の報告はArchie、Gopherとの連携を記録し、WAISやWebとの統合を計画として挙げた。2005年のRFCは、プロトコルが広く実装されなかったと記す。

ディレクトリは利用者の見方になれるか

通常、ディレクトリはファイルを保存するコンピューターの一部に見える。Prosperoが問うたのは別のことだった。資料を中央にコピーせず、複数の組織に散らばった資源を、自分の目的に沿って一つの見取り図にできるだろうか。

1990年代初めのインターネットには、異なる種類の案内役が現れていた。ArchieはFTPアーカイブのファイル名を索引化し、Gopherはメニューで閲覧経路を作った。WAISはテキストのデータベースを検索し、登場間もないWebは文書同士をリンクで結んだ。どれも発見には役立つ。しかし、見つけた資源がそのまま研究者の日常の整理に収まるわけではない。

ProsperoのVirtual System Modelは、整理の層と保存の層を分けた。サーバーは自身のファイルシステムの一部を公開したり、別のデータベースの情報を見せたりできる。利用者や管理者は、その名前空間に独自の見方を組み立てられた。ディレクトリの項目は遠隔資源を指すが、資源は元の場所にとどまる。見方は一つにまとめられても、保存場所を統合する必要はなかった。

検索、整理、取得は別の仕事

ProsperoはArchieの別名ではない。ArchieがFTPのファイル名や所在を索引化するのに対し、Prosperoはそのデータベースをより大きなディレクトリの一部として見せられた。Gopherとも同一ではない。1994年の報告によると、ProsperoのゲートウェイはGopherサーバーをデータベースとして扱い、他の情報源と組み合わせることができた。

プロジェクトは自らの限界も明示していた。Prosperoは整理するデータを解釈しない。取得方法を提供しても、表示と利用はアプリケーションに任される。ファイル転送の独自プロトコルも持たず、FTP、NFS、AFS、Gopherなどに取得を委ねた。ログインが必要なサービスにはTelnetも使える。つまり、資源を見つけてアクセス経路を選ぶ手助けはするが、内容が最新か、権限があるか、目的に合うかまでは保証しない。

異なるサービスを共通の保存形式に押し込まずに結べるのは利点だった。一方で、リンク切れ、アクセス拒否、古い索引、クライアントの非対応など、境界ごとの失敗は残る。整理層を作っても、経路の全区間を誰かが維持してくれるわけではない。

権限を伴うネットワーク地図

Prosperoのディレクトリ要求はUDP上でやり取りされ、プロジェクト独自の信頼性あるメッセージ配送層が加えられていた。1994年の報告は、オブジェクト、ディレクトリ、索引に対するアクセス制御と、パスワードやKerberos version 5を含む複数の認証手段も説明する。仮想ディレクトリは必ずしも公開一覧ではなく、管理者が利用者を選べた。

prospero://のURLはこの分離を表す。URLはホスト固有の名前を示し、その意味はProsperoサーバーが解釈する。サーバーに問い合わせると、別のURLなど、実際のアクセス方法が返る場合がある。URL文字列だけでは資源の存在やアクセス権を証明しない。名前にスラッシュがあっても、階層構造が保証されるわけではない。

倉庫よりも地図という比喩が合う。地図は場所や経路を結ぶが、場所を所有せず、道が通れるとも保証しない。Heng Luのディレクトリと分散権限に関するノートを編集上の視点として用いれば、資源の記述と資源の支配は別だと確認できる。これは設計者の意図を示す史料ではない。

記録された構想と小さな普及

1994年のネットワーク情報検索に関する報告は、Prosperoサーバーをおよそ50台と推定している。サーバーとクライアントの情報は1993年11月時点に更新されたものだ。この数字はプロジェクトが報告した一時点の推定であり、利用者数や継続利用を示すものではない。報告にはArchie、Gopherとの連携が載る一方、WAISの索引やWeb文書は将来計画として記された。

2005年、RFC 4157はProsperoのURI方式を残しつつ文書をHistoricに分類し、プロトコルが広く実装されず、稼働サーバーもほとんどないと明記した。これは設計実験の価値を消すものではない。ただしProsperoを広く使われた基盤として描くことはできない。分散資源を利用者の視点でまとめる方法を具体化したが、大規模なディレクトリ層にはならなかった。

難所は技術だけではない。個人の地図に価値が出るには、管理者が有用なビューを維持し、クライアントが名前空間を理解し、ゲートウェイが更新され、読者が追加の道具を学ぶ必要がある。異なるサービスを美しくつないでも、その橋を保守する共同体は自動では生まれない。

歴史的な論点は、後世の技術を「発明した」と主張することではない。ネット全体を代表する単一索引に頼るのか、資源は各所に残したまま複数のローカルな地図を作るのか。Prosperoは後者を動く形で示し、その普及の限界は分散した整理を長期運用する難しさも示した。

参考資料