要約

  • Ayiticは複数の研修経路を経済活動につなげようとした。資料はSwiftを地域調整とプロジェクト責任に結び付ける一方、設計、現地での授業、評価には別の組織や担当者を挙げている。
  • 登録、修了、オンライン求人への応募、プラットフォームの顧客、インターンシップ、確認済みの雇用は別の指標である。公開資料は二つの集計を照合しておらず、参加者全体に共通する就業率も示していない。

2018年のインターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)のセッションで、Ayiticの運営側は、研修を終えた女性たちがオンラインの仕事に応募し始めた段階だと説明した。議論の焦点は、学習から実際の仕事に移る難しさだった。修了率だけから成果を語るより、この時点を起点にすると次の課題が見える。講座は予定どおり終えられても、労働市場での検証はそこから始まる。応募は契約ではない。プラットフォームに登録できても、新しいプロフィールが顧客に信頼されるとは限らない。技能を習得しても、それだけで収入にはならない。IGFのセッション記録には、研修後の課題がすでに表れている。

この順序で見ると、Kevon Swiftの役割も誇張せずに位置付けられる。LACNICは2014年、Swiftを新任のカリブ地域対外関係担当として紹介した。Internet Societyの2015年の略歴は、彼が2014年8月にLACNICに加わり、カリブ地域との関係構築を主導し、技術研修を調整し、同組織のハイチにおける旗艦的なInternet-for-Development事業Ayiticの責任を最近引き受けたと記している。これは組織内の重要な担当を示すが、Swiftが一人で教材を設計し、授業を行い、全結果を管理したという証拠ではない。LACNICの2014年インタビュー;Internet Societyの略歴。

調整役と実施責任は同じではない

LACNICの2016年のハイチ報告は、現地の文脈を踏まえること、現地講師を育てること、パートナー組織が担う作業について、開発プロジェクト調整担当のCarolina Caeiroの説明を記録している。3x3 Designの最終評価では、LACNICのCaeiroとBeatriz Irisarriがプログラムとカリキュラムの設計、Caribbean Open Instituteがカリキュラム設計、École Supérieure d'Infotronique d'Haïti(ESIH)が授業の実施、3x3 Designが評価を担当したとされる。Swiftについて別の資料が記録するのは、カリブ地域との調整、Ayiticのプロジェクト責任、2016年の開会への出席、2018年IGFセッションの主催者・記録者としての役割である。これらを一人の仕事としてまとめると、資料に記された分担を消してしまう。LACNICの2016年報告;3x3 Designの最終評価。

参加、組織上の責任、実施、成果は別々の事実である。地域の関係を作り、複数組織を調整し、公開の場で事業を説明する人が、すべての教材を執筆したり、講師を雇ったり、卒業生を雇用したり、ハイチの経済やインフラ条件を決めたりするわけではない。この区別は調整の価値を小さくするためではない。プロジェクトがどう動いたのかを正確に示し、共同の責任を個人の栄誉や非難に置き換えないためにある。

国際開発研究センター(IDRC)はプロジェクト108360を、LACNIC主導の連携事業として記録している。予算は114万7,000カナダドル、期間は30か月で、2020年3月11日に完了した。目的は、現地に合わせた講座、仕事とのマッチングプラットフォーム、通信技術者の育成を通じ、ハイチの若者がデジタル経済で仕事を得られるようにすることだった。3x3評価は、女性のデジタル技能と就業経路、ネットワーク管理・セキュリティの研修、パートナーとの展開・拡大を別の要素として扱う。互いに関係はあるが、同じ受講内容でも同じ就業分母でもない。IDRCの事業記録;3x3 Designの最終評価。

期間の違いは測定対象の違い

IDRCは資金提供の期間を30か月と記録する。LACNICの年次報告はAyiticの経緯を3年間のものとして説明する。3x3の評価対象は2018年3月から2019年8月までの3回の研修で、評価対象の取り組みを2年間の連携と表現している。資金期間、プロジェクトの公開上の経緯、評価に含まれる研修ラウンドという、異なる時間範囲を述べているため、必ずしも矛盾ではない。一つの期間に丸めてしまうべきではない。

公開発表も異なる節目を扱っている。LACNICは2017年にG20サミットの場でAyiticを紹介し、2018年にはハイチで三つの講座を始めたと発表した。同年の最初の女性コホートに関する記事は、50人が13週間の講座を終え、その後に就職支援が始まると伝える。これは研修の実施と次の支援段階を示す。全員が有償の仕事を得たことを検証する資料ではない。G20での紹介;三つの講座の開始;最初の女性コホート。

オンラインの仕事では、技能は入口にすぎない。作品例を整え、提案を書き、最初の顧客を得て、評価を蓄積し、作業範囲を交渉し、報酬を受け取る必要がある。新規登録者には実績や紹介がなく、顧客は能力を判断する手掛かりを持ちにくい。最初の仕事を得るために何度も無償で応募する時間もかかる。プラットフォームの使い方を教えることと、顧客や評判、注文を生み出すことは同じではない。

3x3の最終評価は研修修了と就業を別の成果としている。国内の仕事やオンラインプラットフォームに卒業生をつなぐ取り組みは、成功が限られていたと評価した。経験、レビュー、紹介、資格、決済手段、言語、オンラインで入札するための無償時間が障壁として挙げられている。これは研修に価値がなかったという意味ではない。技能の獲得は、信頼、市場への接続、取引能力、継続して仕事を探せる時間を含む長い連鎖の一部だったということだ。3x3 Designの最終評価。

数字は出典ごとに読む

3x3評価の概要はInternet and Data Practitioner(IDP)に女性316人、Network Management and Security(NM&S)に169人、合計485人と記す。しかし、詳細表のNM&S人数は166人である。IDPの詳細には登録316人、離脱9人、修了257人とあり、NM&Sは166人、離脱11人、修了81人とされる。概要が示す修了・離脱率は、IDPがおよそ84%・3%、NM&Sがおよそ52%・7%である。これらは評価文書がそれぞれの分母で報告した数字として示すべきで、新しい合算率を計算してはならない。

LACNICの2019年年次報告は別の集計を掲載する。女性358人が研修を受け、IDPの修了率は86%、離脱率は3%。NM&Sでは技術者163人、修了率59%、離脱率14%。さらに、完了したインターンシップが6件、確認された雇用が2件、Freelancerで得た顧客が2件とする。後続講座はLACNIC Campusで3,000人超に届いたとも報告している。確認できる資料は、これらと3x3の人数・率の違いを説明していない。時期、コホートの範囲、定義の更新などが考えられるが、出典が説明していない以上、それは仮説にとどまる。各数字を出典に結び付け、差を未解決のまま残すのが正確だ。LACNIC 2019年次報告。

仕事の分類も混同できない。Freelancerの顧客数は買い手側の数字で、雇用された労働者数とは限らない。インターンシップは雇用契約と同じではない。応募は採用ではなく、修了は収入ではない。年報は顧客、実習、仕事の数が重なるのか、評価調査の対象者とどう関係するのかを説明していない。二つの報告の数字を平均しても、再現可能な指標にはならない。

3x3は複数の方法を組み合わせた。概要では受講者の回答450件、フォーカスグループ8回、個別インタビュー22件を挙げ、就職支援担当者や雇用主にも聞き取りを行ったとしている。修了後の影響調査はより小さく、IDPが119人、NM&Sが65人だった。回答者の経験は障壁を理解する助けになるが、サンプリングの根拠なしにコホート全体の比率にはできない。フォーカスグループは、ある手続きがどこで止まったかを説明できても、全員の経験を数えるものではない。評価の価値を保つには、方法ごとに言える範囲を守る必要がある。

教室の外にある決済、接続、時間

評価が挙げる障壁には、端末、電力、インターネット、家庭内の責任、ケア労働、時間、政治的不安定も含まれる。端末を共有していたり、停電が申請中に起きたり、データ通信が高かったりすれば、オンラインの仕事を探す条件は変わる。プラットフォームが決められた時間内の返信を求めることもある。報告はそれぞれの影響を数量化していないが、技能だけを切り離して就業可能性を論じられないことは示している。仕事には端末、ネットワーク、決済と、働くための時間が必要だ。

支払いも重要な関門である。仕事を見つける、納品する、対価を受け取るのは別々の段階だ。受け取り手段が使えなければ、能力と需要は取引にならない。オンライン市場は機会を広げる一方、評判の順位付け、手数料、納期、決済方法の条件を持ち込む。デジタル技能の成果を見る際は、依頼主と働き手をつなぐ取引インフラも確認する必要がある。

家事やケアの時間は、試行錯誤の負担を変える。自由に使える時間が多ければ多数の案件に応募できるかもしれないが、家庭の責任を持ち、初回の受注時期も分からない人にとって、無償の応募を続けることは高くつく。これは本人の意欲の測定ではなく、仕事を得るまで誰が費用を負担するかの問題だ。評価はオンラインで入札する時間と家庭の責任を挙げるが、すべての参加者に共通する効果を出してはいない。

3x3の提言は、この連鎖の各所に対応する。案件の入札や交渉を練習する、支払い方法を教える、修了後すぐに資格証明を出す、紹介や推薦文を用意する、卒業生のつながりをつくる、卒業前から雇用主に接触する、国内市場も探す、といった内容である。いずれも特定の障壁を小さくする可能性があるが、就職を保証はしない。また、提言がすべて実行されたことを示す資料もない。評価がどの接続を不十分とみたかを示す材料として読むべきだ。

一人の経験から割合は導けない

LACNICが公開した卒業生Waina Moiseのインタビューは、デジタルツールとの出会い、オンラインの仕事探し、就職支援担当者との協力を本人の言葉で記録している。ある経路と支援の姿を具体的に理解する材料になるが、全参加者の代表値ではない。一人にとって特定の条件下で道が開けたことは示せても、同じ結果を得た参加者の割合は示せない。Waina Moiseのインタビュー。

逆の読み方も避けるべきだ。年報で確認された仕事の数が限られていても、各人が何を学んだのか、調査期間後に働いたのか、別の道に進んだのかは分からない。就業を評価するには、追跡期間、有償労働の定義、フリーランスや非公式な仕事の扱い、支援との関係を明示する必要がある。3x3は就業につなぐ取り組みが限定的だったと結論付けている。これは重要なプログラム評価だが、個々の学習者への判決でも長期的価値の全量測定でもない。

LACNIC Campusで3,000人を超える学習者に講座が届いたという数字は、教育コンテンツの広がりを示す。何人がハイチにいたのか、初期Ayiticコホートに属したのか、同じ講座を修了したのか、収入を得たのかは分からない。到達数、修了、就業は異なる指標である。講座を拡大した後には、当初の就業支援のどの部分を再現したのか、仕事に進む様子を何で追跡したのかを問う必要がある。

Swiftについて資料が言える範囲

2014年と2015年の資料は、Swiftをカリブ地域との関係づくりを担い、技術研修を調整し、Ayiticの責任を任された人物として記している。2016年には開会への出席が記録され、2018年には研修後の仕事を議論したIGFセッションの主催者・記録者に挙げられた。この記録の連続性は、彼をAyiticの調整・対外説明の物語に含める根拠になる。

しかし、これは本人の影響を評価する資料ではない。プロジェクト設計者、ハイチのパートナー、就職支援担当、資金提供者、雇用主、受講者の判断とSwiftの判断を分離していない。どの決定を本人が支配し、結果のどれだけを帰属させるべきかも書かれていない。記録がないことを疑いの示唆に変えるべきではない。資料が述べた役割を記し、それ以上は断定しないのが適切だ。

参加と権限も分けて考えたい。イベントへの出席、関係の調整、プロジェクト責任の付与だけでは、誰が各講座を設計し、各授業を行い、仕事を獲得したかまでは分からない。この区別は調整の仕事を消すものではない。責任が複数に分かれた仕組みの中で、その仕事を正確に見せる。

不確実性を残す結論

公開資料からは、Ayiticがハイチでのデジタル・技術研修を経済参加につなげようとしたこと、Swiftがカリブ地域の調整に携わりプロジェクトの責任を担ったこと、そして評価が修了から就業までの隔たりと信頼・決済・言語・インフラ・時間・需要の障壁を記録したことが分かる。一方、3x3とLACNICの人数は照合されておらず、全コホートで共通の就業率も、単独の因果効果も示されていない。

したがって、修了率をもって成功と宣言するのも、確認済みの仕事が限られることだけで失敗と断じるのも適切ではない。研修は道の一段階であり、終点ではない。SwiftはAyiticを動かす調整の歴史に登場するが、設計者、現地の実施者、資金提供者、雇用主、参加者もその構造を形作った。労働市場は誰か一人の調整役がすべてを制御できる仕組みではなかった。人物や一つの数字に資料以上のことを語らせず、この現実を描くことが、研修後に残った仕事を最も正確に表す。

出典