要約

  • FY26、投資益を除くとICANN Operationsでは収入・支援が費用を1,837万ドル上回り、New gTLD Programでは費用が同額を3,599万4,000ドル上回った。
  • 投資益を加えた後の連結純資産は1,806万6,000ドル増えた。この数字は分部間の差を消すものでも、予算超過や内部統制上の問題を示すものでもない。

ICANNは10月14日、2026年6月30日までの会計年度に関する監査済み財務諸表を公表した。告知は、現金と投資を合わせたFunds Under Managementを約5億4,200万ドル、年間で約700万ドル増と説明している。その背景を読むには、監査報告書の分部表が欠かせない。継続的なICANN OperationsとNew gTLD Programは、同じ収支ではなかった。ICANNの公表告知

報告書ではICANN OperationsとNew gTLD ProgramをICANNの二つの報告セグメントとして分け、関連法人PTIを別掲し、連結時に内部取引を消去している。FY26の表で、ICANN Operationsは収入・支援額1億7,133万2,000ドルに対して費用1億5,296万2,000ドル。投資益計上前の差額はプラス1,837万ドルとなる。New gTLD Programは311万5,000ドルに対して3,910万9,000ドルで、差額はマイナス3,599万4,000ドルだ。これは報告上の区分であり、それぞれが独立した法人という意味ではない。FY26監査報告書の分部表

投資益も二つの区分に配分され、Operationsが2,601万1,000ドル、New gTLD Programが967万9,000ドルだった。これを反映すると、純資産の変動はOperationsがプラス4,438万1,000ドル、New gTLDがマイナス2,631万5,000ドルとなり、連結全体ではプラス1,806万6,000ドルに一致する。つまり、連結純資産が増えたこととNew gTLDの投資益前の差額がマイナスだったことは両立する。この表から、計画の支払能力や、応募料で費用を同じ年度にすべて賄う設計だったかまでは判断できない。

FY25との比較では、New gTLDの投資益前の差額はマイナス2,884万2,000ドルからマイナス3,599万4,000ドルへ拡大した。一方、Operationsはプラス887万9,000ドルからプラス1,837万ドルに改善した。注記によればNew gTLDの費用には2012年と2026年の募集ラウンド、Grant Programに帰属する項目が含まれる。2026年ラウンドの費用は2,722万8,000ドルで、6月30日時点では応募を受け付けており、窓口が閉まったのは期末後の8月12日だった。したがって、この決算は窓口終了前の開発費を含む一方、その後の収入全体は示していない。費用注記とFY25比較

注記の内訳には、小さな照合差もある。2012年ラウンドの697万8,000ドル、Grant Programの494万1,000ドル、2026年ラウンドの2,722万8,000ドルを足すと3,914万7,000ドルで、分部表の費用3,910万9,000ドルを3万8,000ドル上回る。項目が重複するのか、差額をどう調整するのかは報告書に説明がない。分部費用の約0.1%にあたる小額の開示上の疑問であり、監査済み財務諸表に誤りがある証拠とはいえない。

Baker Tilly US, LLPの意見も対象が限られている。監査人は、ICANNの財政状態、純資産の変動とキャッシュフローを示す連結財務諸表が、米国会計基準に照らして重要な点で適正に表示されていると述べた。合理的保証は高いが絶対ではないとも説明する。内部統制を監査手続きの設計にあたり理解したが、その有効性について意見を述べる目的ではなく、実際に意見も表明していない。独立監査人の報告

ここから言えることは限定的だ。投資益の計上前、Operationsはプラス、New gTLDはマイナスで、配分後はそれぞれ別の純資産変動を示した。全体の純資産増加だけを見て、各活動が自身の収入で賄われたと解釈することはできない。

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