要約

  • LACNICの11月2日付累積ファイルには、10月の日付を持つIPv4移転記録が46件あり、重複のない74,496アドレスを含む。27日の6件は SOBRALNET SERVICOS E TELECOMUNICACOES LTDA - ME から DB3 SERVICOS DE TELECOMUNICACOES S.A へ計24,576アドレス、可視の月間総数の32.99%に当たる。
  • 7日にはDB3から Sobralnet Telecomunicações ltda へ別の512アドレスが移転登録された。二つのSobralnet表記は一致せず、アドレス範囲も重ならない。法人識別子も共通の取引番号も公開ファイルにはない。

24,576から512を引けば24,064になる。ところが、その値を「両社間の純移転量」と書いた瞬間、LACNICの移転ファイルにない前提が二つ紛れ込む。二種類のSobralnetという名称が同一の法人を指すこと、そして日付もアドレスも異なる七つの記録が一つの商業上の取り決めに属することだ。計算機は正しい。契約書の代わりにはならない。

ファイルが実際に示す規模は大きい。累積データの transfer_date を2026年10月で絞ると46件あり、各件にIPv4の範囲が一つずつ記載されている。合計74,496アドレスで、範囲の重複はない。そのうち43件、73,472アドレスはLACNIC域内の移転。残る3件、1,024アドレスはRIPEからLACNICへの移転だ。10月31日のファイルと11月2日のファイルを比べても、10月分の記録は完全に同じ。記録上で最も遅い10月の移転日は29日である。

27日の6件が、この月の重心を作る。すべて送出元欄に SOBRALNET SERVICOS E TELECOMUNICACOES LTDA - ME、受け手欄に DB3 SERVICOS DE TELECOMUNICACOES S.A とある。各範囲は4,096アドレス、/20に相当する。開始アドレスは 177.184.128.0、177.200.80.0、186.225.32.0、186.225.48.0、187.60.32.0、189.84.112.0。二つの 186.225 範囲は隣接するが、公開記録上は二行だ。6件で24,576アドレス。10月の可視総量のほぼ3分の1が、同じ日付、同じ名称の組み合わせに集中する。これを六つの契約と数える材料は、記録に載っていない。

もう一つの方向は20日前に現れる。10月7日の行では、DB3が 187.84.78.0–187.84.79.255 の512アドレスの送出元、Sobralnet Telecomunicações ltda が受け手となっている。27日の六つの範囲とは一つも重ならない。27日の送出元は SOBRALNET SERVICOS E TELECOMUNICACOES LTDA - ME と記されている。似た名称を見て関係を疑うのは自然だが、法人番号、支配関係、案件番号がなければ同一性は確定しない。まして「返還」や「交換」と呼ぶ根拠にはならない。

LACNICのIPv4政策マニュアルは、公開ログに日付、当事者、アドレス、該当するRIRを記録すると定め、域内移転では法的な裏付け書類をLACNICへ提出させる。公開JSONにはその書類、価格、目的、移転後のネットワーク利用が含まれない。法人の同一性と七行の契約上のつながりを判断するには、その二種類の証拠が必要だ。データが示すのは登録上の移転であり、商取引の全体像ではない。

IPv4が希少なら、この違いは細部では済まない。たった6行で月間可視量の32.99%を占めるのだから、市場を測る人は見逃せない。アドレス数は正確に集計できる。取引件数には別の資料が要る。登録簿の空欄を想像で埋めれば、きれいなグラフほど危うくなる。