要約

  • 現行の17.3条がモーリシャス国籍者をCEO候補から一律に排除しているのに対し、改正案は国籍要件を削除する。この是正は維持すべきである。
  • しかし、新たな利益相反・重大支障の判断について、証拠記録、候補者への通知と反論機会、取締役の回避、理由書、期限、独立した再審査は条文上保証されていない。

CEO候補を不適格とした理由を、会員が再現できる記録は残るのか。8月21日23時59分(UTC)に終了したAFRINICの第2回憲法改正協議を読むと、この最も実務的な問いに答える規定がない。

改正の出発点は明確に支持できる。現行Bylawsの17.3条は、AFRINIC本部が置かれた国の国民をCEOに任命できないとしている。本部はモーリシャスにあるため、モーリシャス国籍の候補者は能力や実際の利害関係を審査される前に除外される。国籍を独立性の代用指標とするのは合理的ではない。

公式改正案は国籍への言及を削除した。これは候補者層を広げ、出生地や旅券ではなく適格性を比べるための実質的な前進である。今後の修正で後退させる理由はない。

一方、後継のルールは取締役会に事実評価を委ねる。取締役会が合理的かつ誠実に行動し、現実の利益相反、または独立かつ有効な職務遂行を重大に妨げる合理的な可能性のある事情を認定すれば、その人物は不適格となる。「合理的」「誠実」「現実の」「重大」といった限定は意味を持つ。しかし、それらは機械的なチェック項目ではない。どの情報を採用し、どの程度の可能性を重大と見るかを決める者が必要であり、その者が取締役会である。

条文は、その判断に至る記録の作り方を定めていない。候補者が根拠資料を見られること、問題とされた利益や事情を事前に知らされること、反論できることを保証しない。立証責任や証明水準もない。候補者または競争相手と関係を持つ取締役の回避、決定期限、書面理由、個人情報を必要な範囲で伏せた公表、内部不服申立てや独立再審査も明記されていない。

記録がなければ、権限と情報が同じ側に集中する。取締役は資料、出所、評価過程を知り、候補者と会員には結論だけが届き得る。不適格判断は任命前に行われるので、候補者はCEOとしての独立性も内部記録へのアクセスも持たない。「合理性」と「誠実性」は後日の司法審査で効き得るが、訴訟は同時点の反論手続や迅速な内部審査より遅く、費用も大きい。別のCEOが就任した後では、同じ選考機会を復元できない。

改正案を擁護する最も強い論拠も軽視すべきではない。新たな権限は文言上無制限ではなく、合理性、誠実性、現実の利益相反、合理的に予測される重大な支障を要求する。改正案19.13条は、取締役、役員、従業員、委員会構成員などを対象に、利益相反の特定、開示、評価、管理、必要な軽減を扱う全社方針を取締役会が策定・見直しするよう求める。モーリシャスCompanies Act143条と145条も、誠実、正当な目的、注意・技能、事情に応じた適切な調査という実効的な義務を課す。推薦情報、雇用情報、個人データ、慎重に扱うべき申立てには秘密保持も必要である。そして、現段階の文書はまだ草案だ。

ただし、これらは手続を設計する材料であって、CEO候補者用の手続そのものではない。19.13条の一般方針が将来、通知、反論、回避、理由、審査を加える可能性はある。しかし、憲法案はそれを保証していない。会社法は取締役を規律するが、17.3条の候補者に具体的な手続的権利を与えるものではない。秘密保持も、個人情報の限定的な非開示を正当化するのであって、判断の分類、回避の有無、要約理由まで消す根拠にはならない。

AFRINICには、より監査可能な選考を実施した記録がある。2019年のCEO採用説明によれば、外部業者FedAfricaを起用し、6人を候補として絞り、3人の最終候補者に2時間ずつ面接した。取締役は個別のスコアカードに説明と順位を記し、候補者の点数をまとめた報告書を作成し、外部オブザーバーも置いた。1人の取締役は国籍に関連する利益相反を申告し、該当候補者の面接を回避した。この過去例は当時の手続が完全だったことを証明しない。それでも、採点、理由記録、外部観察、回避が運用可能であることは示している。

改正案の説明部分は、むしろ欠落を際立たせる。50~51ページの17条に関する理由は、経営陣と取締役会の役割分担、報酬、人事権、書面による権限委任、暫定CEO、継続性、法的確実性を扱う。しかし、国籍排除をなぜ撤廃するのか、新たな不適格判断をなぜ取締役会が持つのか、その行使をどの手続で統制するのかは説明しない。CEOの職務設計は語られても、入口を閉じる権力の設計は語られていない。

入口の問題は現実の採用と隣り合っている。AFRINICは2025年11月、CEO職が2022年11月から空席であり、Receiver(管財人)の同意を得て設置した5人の取締役による検索委員会が正式採用を監督すると発表した。現在の委員会ページにもCEO Search Committeeが掲載されている。未発効の草案で誰かが排除された証拠はない。それでも、常任CEOを必要とする現状は、制度設計が直ちに意味を持つことを示す。

判断主体の権限自体も争われている。AFRINICは2025年9月以後の取締役を自らのBoardとしている。一方、AFRINICの2026年3月の更新は、その任命の無効化を求める訴訟があり、Receiverの解任判断を待っていると認めた。裁判追跡ページも複数のガバナンス手続を進行中としてきた。NRSはAGMM警告で彼らを「Purported Board」と呼び、適法な権限は確立していないとの法的立場を示す。これはNRSの主張であり、本稿が確定判決として扱うものではない。

Heng Luの権力と正統性に関する分析は、選挙や公式説明の外観より、手続と執行を誰が支配するかを問う。17.3条に当てはめれば、国籍という不当な自動判定を消すだけでなく、その後の裁量を候補者と会員が検証できる権利で拘束する必要がある。

協議ページによると、委員会は意見を踏まえて修正でき、その後に外部の独立法務審査、取締役会承認、特別会員総会での審議が続く。したがって修正はまだ間に合う。利益相反の類型と開示義務、意思決定者の回避、候補者への証拠通知と反論機会、限定的に秘匿した書面理由、短い決定期限、元の決定者から独立した緊急審査を最低条件として書き込むべきだ。

国籍差別の撤廃は前進である。その前進を完成させるのは、善意の宣言ではなく、失格判断を追跡し、異議を述べ、誤りを任命前に直せる記録である。

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