要約

  • 英国の10月22日の白書は、海底の通信・エネルギー設備を損なう目的で行う測量や偵察など、被害発生前の準備行為も捉える犯罪の新設を提案した。
  • 故意、危険を承知した行為、重大な過失を分けて最高刑を14年、10年、2年とする案だ。同時に通常の海事・科学・商業活動を守る線引きを求めている。

海底ケーブルの通信は続いている。だが、その上を通る船が攻撃のために海底を測っていたらどうなるか。英国政府は、壊れてからでは遅いという地点に法律を運ぼうとしている。10月22日に出した白書は、海底のデータやエネルギーの設備に安全上の障害を起こした行為に加え、それを意図、計画、試行した行為、あるいは起こす可能性が高い行為を新しい犯罪の対象とする案を示した。将来の攻撃に向けた測図、調査、機材の配置や、秘密の監視も例に挙げる。

現行法の言葉は古い。1885年の海底電信法は「電信」を前提とし、今日の光ファイバーへの適用は不明確だと政府は説明する。パイプラインも対象外だ。2023年国家安全保障法の妨害工作罪には外国勢力との関係の立証が要る。今回の案は通信線とエネルギー設備に別の犯罪の入口を作る。乗組員のいる船だけでなく、遠隔操作機や自律システムにも及ぶ想定だ。

しかし、海底を測ること自体は仕事でもある。研究者は地形を調べ、ケーブル会社は経路を点検し、修理船は現場を確認する。船の航跡だけでは目的を読み取れない。白書も、正当な海事、科学、商業活動まで意図せず犯罪にしてはならないと認めた。法案の成否を分けるのは、怪しいという印象を具体的な準備行為へ変える証拠の基準だ。

政府が提案する最高刑は、故意なら禁錮14年、危険を認識した行為なら10年、重大な過失なら2年。罰金には上限を設けない案で、さらに重い事案の刑も検討する。修理の妨害、航行・船舶データの偽造や不保存、捜査機関からの適法な連絡を無視する行為にも補助的な罪を想定する。航海記録は、いつどこで何をしたかを示すと同時に、誤った疑いを正す材料にもなる。

案は英国領海だけで終わらない。公海上の英国人や英国旗船、英国につながる設備に重大な国内影響を及ぼす領海外の行為も視野に入れる。最後の範囲について政府自身が国家間の実務は定まっていないと記し、意見を求めた。ケーブルは国境を越えるが、刑事管轄には理由が要る。

意見募集は2027年1月14日まで。次の文案では、何をもって攻撃準備と判定するのか、誰が証拠を点検し、異議をどう扱うのかが重要になる。海図の点は疑いの出発点にはなっても、判決文にはならない。

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