要約

  • Companies Houseは2015年6月22日、1億7,000万件超のデジタル記録を無料で利用できる公開ベータ版を開始し、ウェブとAPIを提供した。
  • 料金を外す判断に、会社名からの検索と利用者調査が加わり、調べ続けるための入口が整えられた。

行政の検索画面にも、見られる側になる時間がある。Companies Houseが2012年に設けた利用者調査の実験室には、片側から観察できるガラスと、15人が入れる観察スペースがあった。2015年3月の担当者の記事によれば、使いやすさの調査に協力すると答えた顧客は約800人。実験室には、近隣の顧客60人を招くことができた。ボタンを探す人を、ボタンを置いた側が見るための場所だった。

その数か月後、この機関はもっと目立つ障害物を取り除く。会社の公開情報を調べる途中にあった料金である。

一ポンドにも積もり方がある

2014年7月の政府発表は、役員の就任情報、担保設定、決算書などの文書画像を調べる検索に最大1ポンドの料金がかかると説明していた。2013/14年度に利用者がオンラインの会社情報取得へ支払った額は870万ポンド。小銭のつもりでも、集まれば立派な収入になる。

会社を調べると、質問は増える。前年の決算はどうか。以前の役員は誰か。別の届出に何があるか。少額の料金でも、そのたびに先へ進む理由を考えさせる。政府は2015年の第2四半期に、デジタルで提供する公開情報を無料にすると約束した。人手を要するサービスには、費用回収のための料金を残す方針だった。

人にもソフトウェアにも入口を

2015年6月22日の開始発表で、公開ベータ版が登場した。無料で利用できるのは1億7,000万件を超える記録。決算、提出書類、会社の存続期間にわたる取締役や会社秘書役の情報などが含まれた。会社は何度も書類を出す。記録が積み重なるからこそ、今の名前から過去へ調べ進められる。

提供方法はウェブとAPIだった。APIは、別のソフトウェアが登録情報を利用するための接続口である。責任者Tim Mossの同日の説明も、両方の経路から会社情報の更新を取得できることを挙げている。人が画面を開く作業に加え、プログラムの仕事の中にも登記簿を組み込めるようになる。

GDSのMike Brackenの記事は、会社名を入力して提出書類や現職・元職の役員を調べる流れを紹介した。情報自体は長く公開されていた。今回変わったのは、それを取り出すときの手順と負担である。次の文書へ進むたびに会計を意識する必要が薄れ、ソフトウェアにも利用の道ができた。

無料化の先にも、画面の迷路は残り得る。別の会社を選んだり、目当ての書類を見つけられなかったりすれば、利用者は時間を払う。実験室の担当者は、顧客が普段働く場所へもっと出向きたいとも書いていた。予定を組める実験室と、用事が割り込む実際の仕事場。その両方を見る必要があった。

レジを閉める決定と、引き出しを開けやすくする仕事。2015年の公開は、この二つを同じサービスに持ち込んだ。公開登記簿は、ようやく気兼ねなく何度も引ける道具へ近づいた。