要約
- BTの当時の受注システムでは契約納期を先へ延ばせたが、異議申し立てが認められた後に元へ戻すことができなかった。
- Ofcomが確認した161件の不足額は71万9,000ポンド。BTは2016年、利息込みで72万5,000ポンドを支払っている。
契約書の納期を一日動かしても、工事が一日進むわけではない。それでも、供給側の補償負担は変わり得る。現場より先に帳簿だけが改善する。BTの過去のEthernet事件は、この奇妙な生産性を考える格好の材料だ。
なかでも印象的なのは、同社の受注システムCOSMOSSにあった一方通行である。契約上の納期を後ろへ延ばすことはできた。しかし、その延長に対する異議申し立てが通っても、日付を前に戻せなかった。顧客の主張を認める仕組みと、認めた結果を金額に反映する仕組みは、別々に動いていた。
納期を管理する人が、遅延の物差しも持つ
Ofcomの2017年決定は、BTが2013~2014年、同意を得たものとみなす納期延長を遡って適用し、補償を減らしたと認定した。当時の契約は通常30営業日を基準とし、定められた事情による延長を認めていた。異議申し立ての結果を支払いに正しく反映しなかった161件は別の不備で、BTによる利息付きの支払い後、Ofcomはこの部分の是正を十分と判断した。より広い補償措置では、卸顧客が無料で独立監査を受けられる仕組みも求めた。
納期に例外が必要なのは当然だ。工事は契約書の余白で行われるわけではない。現場の事情を把握する事業者が予定を調整する余地はいる。だが、その日付が「いつから補償が発生するか」も決めるなら、予定管理には金銭上の利害が乗る。
顧客にとっての日付は、サービスを使い始められる約束だ。供給者にとっては、遅れの責任を数え始める境目でもある。この境目を自ら動かせる立場には、工事を速める権限とは違う力がある。両者を同じ「進捗管理」で片付けると、その違いが見えなくなる。
補償支出の減少だけを成果として読むのも危うい。実際の完成が早まったのか、遅延として数える期間が短くなったのか。どちらも支払額には表れるが、待っている側が受け取るサービスは同じではない。
勝った顧客の仕事が、まだ終わらない
卸回線を買う事業者には、その先の顧客がいる。上流の供給者が日付を変更しても、下流の約束がきれいに並んで後退するとは限らない。待ち時間の費用は誰かのところに残る。だからこそ、補償の計算を左右する記録は、社内向けの備忘録以上の意味を持つ。
異議申し立ては、その記録を争う手段になる。ところが、申し立てを認めるだけで帳簿が追い付かないなら、顧客には二つ目の仕事が発生する。まず日付を争い、次に支払いを求める。会社から「お客様が正しい」と言われた後も、正しさを換金するために働くことになる。
この追加作業には市場への影響がある。少額なら手間に見合わず、忙しければ後回しになる。形式上は同じ補償条項でも、実際に利用できる度合いは請求を追い続ける余力で変わる。保証が熱心な顧客だけの特典になってしまう。
BTの2017年年次報告書は、4,200万ポンドの制裁金に加え、より広い補償を約3億ポンドと見積もり、正確な額は関係事業者との協議で決まるとしていた。この見積額と、すでに是正された161件の支払いは分けて読む必要がある。すべてを現在の未払い額に見立てれば、記事の側まで計算を間違える。
支払いに至った事実は、事件の後書きではない。何をもって救済が実行されたと言えるかを示す核心だ。判断が変わり、計算が変わり、資金が動く。この最後までつながって初めて、顧客は同じ件をもう一度説明せずに済む。
平均点では精算できない
Ofcomの2026~2031年の品質政策は、全体の最低品質、透明性、非差別、個別の契約不履行に対する補償を別の手段として扱う。全体を測る数字と、一件ごとの責任は、それぞれ役割を持つ。
平均の開通期間が短くなっても、一件の請求に誤りが残ることはある。逆に補償を正しく払っても、失われた開通日は戻ってこない。前者は経営の改善を測り、後者は失敗の費用を配分する。平均点の高さを持ち出しても、個別の帳尻は合わない。
回線の契約で比較すべきものは速度と価格だけではない。日付を変更する権限、その履歴、変更を覆したときの精算能力も商品に含まれる。時計を持つ側が責任の始まりを決めるなら、その時計を直す権利まで顧客から遠ざけてはいけない。
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