Summary

  • 米政府監査院の10月14日付報告によると、国防総省の「責任あるAI」部門は2026年2月時点で定員10人のうち3人しか配置されていなかった。
  • 組織横断の作業評議会は2024年末から2025年8月まで会合を開かなかった。再開後も役割と開催頻度を定める規約はなく、4月時点で実施計画64項目のうち29項目が未完了だった。

速さの指示が先、相談する仕組みは後

米国防総省は1月のAI戦略で開発と導入の加速を掲げた。ところが、その運用を支える中央の「責任あるAI」部門は、2月時点で10の承認済みポストに対し在職者が3人だった。監査院の報告書が示すのは2月時点の人数だ。現在の状況には新しい職員名簿が要る。新戦略の出発点で、どれだけの人手が担う設計だったかは明確だ。

人手が足りない組織ほど、他部門と知見を共有する場が要る。その作業評議会は2024年末から2025年8月まで開かれなかった。監査院に対し四つの部門の担当者は、その間に協力が役立ったはずの課題があったと述べた。空軍は独自の統治手順を作りながら他部門の実例を得にくく、海軍も自らの方法を照合したかった。国防脅威削減局は影響の大きい用途に連邦指針をどう当てはめるか、共通の理解を求めていた。

会議は2025年8月に再開した。それでも、誰が何を持ち込み、どの頻度で集まるかを決める規約がない。4月時点の実施計画には未完了の項目が29件残り、中央事務局は実施状況を測る指標もまだ整えていなかった。29件は実施計画の進捗を示す。監査院は10部門から選んだ各1事例を、全体に広げられない標本として扱っている。

監査院は評議会の規約と担当部署の人員対策を勧告し、国防総省は双方に同意した。次に必要なのは、新しい標語ではない。異なる部門の判断が衝突したとき、誰が会議を招集し、いつ決着を記録するかという仕事の手順である。