要約

  • Australian Energy Regulator(AER)は10月16日、Australian Gas Networksの水素試験2件について、ガス事業の分離規則の一部を2031年11月30日まで免除する草案を公表した。条件が付く。
  • 第三者が再生可能ガス設備の接続やネットワーク利用を正式に求めた場合、AGNは15営業日以内にAERへ報告する。申請は再評価のきっかけになるが、免除を自動終了させない。
  • AERは、試験の規模が小さく、現在の地域市場に直接の競争相手や該当するアクセス申請がないとの判断を根拠にした。意見提出は11月6日まで受け付ける。

AERは、Hydrogen Park GladstoneとHydrogen Park South Australiaについて、構造的な事業分離に5年間の例外を認める案を示した。10月16日に公表した草案では、Australian Gas Networks Limited(AGN)が対象の配給網を所有・運営する企業グループ内で、水素の製造と混合を続けられる。これら2つの関連事業では、営業担当者を別にする要件も適用しない案だ。対象はNational Gas Law第139条と第140条であり、ガス事業全体の分離ルールをなくすものではない。

事業分離は、パイプラインを運営する企業が、その支配力を使って系列企業に有利な接続条件や料金、情報面の優位を与えることを防ぐ仕組みだ。National Gas Rulesは所定の審査を満たす場合に例外を認める。第139条についてAERは、対象のパイプラインが重要な一部を占めないこと、分離に伴う費用が公共利益を上回ること、さらに系列会社間の契約に適用される保護策を実質的に再現する内部統制があることを確認する。第140条にも費用と公共利益の比較が適用される。

AERによると、2つの試験網はAGNの全体網に比べて小さい。HyP Gladstoneは約700顧客に供給し、2024年11月から体積比最大10%の水素を混合している。HyP South Australiaは4,000未満の顧客に、最大15%の水素を含む混合ガスを供給する。運転状況とネットワーク規模の比較は、AGNの提出資料をAERが評価したものだ。AGNは分離に伴う一時費用を、Gladstoneで50万~100万豪ドル、South Australiaで75万~200万豪ドルと見積もった。AERは重大な費用と運営効率の低下を認めているが、金額は監査済みの実績ではなくAGNの推計である。

草案が監視するのは競争環境の変化だ。AERはGladstoneとTonsleyの各網について、競合する水素混合設備や第三者のアクセス申請を確認できなかったという。南オーストラリアでは、再生可能ガス計画も二つ検討した。AERは、Wasleysのバイオメタン設備は物理的に分離されたサブネットワークにつながり、SA1 Salisburyは現時点では開発段階と立地から直接の競争相手ではないと評価した。これは現在の地域事情に関する結論であり、将来も市場に競争がないという意味ではない。

提案条件は、将来の変化を規制当局が把握できるようにする。プロジェクトの規模や性質に重大な変更がある場合、第三者が水素、バイオメタン、その他の再生可能ガス設備のために接続または利用を正式に求めた場合、あるいはAGNが依拠する内部統制が大きく変わった場合、AGNはできるだけ早く、遅くとも15営業日以内にAERへ通知する。通知には変更の資料と、公共への不利益が増す可能性についての説明も必要だ。AERは、変更が免除の根拠を揺るがすか、条件変更や撤回を含む追加措置が必要かを判断するとしている。アクセス申請だけで結論が決まるわけではない。

提案期間は、現在の期限付き免除が切れる2026年11月30日から2031年11月30日まで。AGNが再申請する場合、AERはその時点の状況で再び判断する。意見提出は11月6日まで、最終決定は11月30日までを目指す。水素事業やアクセス需要が変わるなか、監視付きの内部統制が構造的分離に代わる仕組みとして機能するかが焦点となる。

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