要約

  • 同じ過去の期間に、3,180万人、6,260万人、後の方法修正による約3,730万人という三つの数字が並んだ。
  • General Courtは2023年12月にEuropean Commissionが入手できた情報で判断した。指定は後に終わったが、当時の決定の適法性は別に審理された。

Stripchatの指定は2025年に終わった。それでも訴訟は翌年まで続いた。General Courtが見たのは、「いま何人か」ではなく、European Commissionが指定した日にどの数字を使い、どの説明を記録に残したかだった。

デジタルサービス法(DSA)は、EUで月平均4500万人以上のアクティブ受信者がいるオンラインプラットフォームを、超大型オンラインプラットフォーム(VLOP)として扱う。Technius LtdはStripchatについて、2022年9月から2023年2月までの月平均を3180万人と申告した。European Commissionが採用したのは、同じSimilarwebのデータから重複を除いた独立訪問者数、約6260万人。後にSimilarwebが算定方法を修正すると、同じ過去期間の推計は約3730万人になった。

31.8と62.6の差は、元データが二つあったからではない。TechniusがEuropean Commissionに説明した方法では、月平均67,010,749件の訪問から、PCとモバイルの重複4,927,505件を除いて62,083,244人を得た。そのうえで、全訪問に対する約49%のバウンス率を掛け、30,304,161人を差し引いた。結果は31,779,083人だった。

European Commissionは、重複除外後の訪問者数を使ったが、さらに49%を引かなかった。Similarwebの「独立訪問者」指標は、偶発的・短時間の訪問をすでに相当数ふるい落としていたからだ。対してバウンス率は、全訪問のうち一ページだけ見た訪問が占める割合。異なる分母から作られた割合を、すでに絞った指標に重ねれば、同じ種類の訪問が二度消える。

European Commissionは、Similarwebに「訪問」と「独立訪問者」の定義や、バウンス訪問をどこまで除外しているかを確認した。General Courtは、委員会が算定の理由とTechniusの方法を退けた理由を十分に説明したと判断。Techniusは、バウンスした人を除いた後の別の信頼できる人数を示していなかった。規制当局に、会社側の数字へ近づけるための第三の仮説計算を作る義務はなかった。

Techniusは、算式を定める法令がない以上、DSAは予測可能性を欠くとも主張した。General Courtは退けた。法令には「アクティブ受信者」を数えるための手掛かりがあり、事業者は信頼できる方法を選べるという判断だ。柔軟さの分、申告する側には、指標の定義と根拠を残し、説明できる形にする責任がある。

修正後の3730万人は、2024年8月にTechniusが提出した数字だ。European Commissionの指定決定は2023年12月20日。General Courtは、その時点の事実と法律に照らして適法性を審査した。後から出たデータと方法は、当時DSA第33条4項が定める利用可能情報には含まれていなかった。現在の数字で過去の決定を採点し直す裁判ではない。

指定自体は、2025年5月27日にEuropean Commissionが終了させ、2023年の決定を撤回した。VLOPに固有の義務は4か月後の9月28日に停止した。General Courtは、指定が2024年4月22日から2025年9月28日まで効果を生んでいたため、Techniusには訴訟を続ける利益が残っていたとした。2025年11月に開かれた審理の結論は翌年10月に出た。申立ては退けられ、TechniusはEuropean Commissionの訴訟費用を負担する。損害賠償は認められていない。

European Commissionの現在の監督ページでは、Stripchatは4500万人未満とされ、VLOP指定の終了も記録されている。別件では、同委員会は2025年5月27日に未成年者保護をめぐるDSA手続を開始し、2026年3月にStripchatを含む予備的調査結果を公表した。こちらは別の執行手続であり、VLOP指定が復活したわけではない。

この判決が支えるのは、ひとつの具体的な記録だ。規制当局は事業者と同じ商用データ源を使い、計測方法を確認し、その数字を選んだ理由を説明した。公開判決には個々の訪問記録やモデルを完全に再現できるデータはない。外からは法的な筋道を追えても、訪問を一件ずつ足し直すことはできない。

4500万人という線の問題は、数字の見栄えではない。サービスの活動を法的なスイッチへ変える測定の連鎖だ。どの期間を取るか、何を「アクティブ」と呼ぶか、端末間の重複をどう消すか、どの分母に比率を掛けるか。今回、General CourtはEuropean Commissionの2023年の説明を認めた。次の争いでは、統計期間、定義、分母、方法の版、異議申立ての手段を一緒に記録する必要がある。二重に引かれたアクセスは、表計算上では慎重さに見えても、結果を大きく動かす。

出典