要約

  • SECは、株主提案の連邦レベルの記載手続きである規則14a-8を撤廃し、提案の扱いを州法と、州法が認める範囲で会社の統治文書に委ねる案を公表した。
  • 別の規則14a-4改正案は、会社のカードに記載されない適時提出の提案について裁量投票を可能にし、株主が自らの株式についてその権限を拒めるチェック欄を設ける。

SECの二つの提案は、株主が議題を提示する経路と、会社が委任状を通じて投票する権限を切り分ける。9月16日公表のRelease No. 34-106383は、米国証券取引法上の規則14a-8を撤廃し、規則14a-4(c)を改正する内容だ。採択済みの規則ではなく、SECの告知では意見募集の期限は2026年11月20日となっている。

現行の規則14a-8では、資格と手続きを満たした株主が、会社の委任状説明書と投票カードへの提案掲載を求められる。もっとも、会社には除外根拠があり、掲載されても提案が拘束力を持つ、または可決されるとは限らない。SECは、株主が何を投票に付せるかは州法と、州法が許す場合の会社の統治文書が決めるべきだと主張する。これは提案を正当化するSECの見解であり、権限の限界を示す司法判断ではない。

この条件付きの経路は実際に使われてきた。SECが集計した2022~2025年の株主総会では、掲載申請3,205件のうち2,363件が投票され、458件はスタッフのノーアクション・レター後に除外され、384件は提案者が撤回した。同委員会は、公開資料に表れない撤回もあり得るため、申請総数は下限だと説明している。

もう一つの改正案は、規則14a-8を使わずに提出され、会社の投票カードには載らない提案を扱う。現行規則14a-4(c)(2)では、提案者が期限内に、可決に必要な株主数を自ら勧誘する意向を会社に伝え、所定の証拠を示す場合、会社の裁量投票は制限される。SEC案は、一定の適時提出の提案についてこの制限を外す。会社が裁量を求めるには、委任状説明書で提案の概要と自社の投票方針を示し、投票カードからその説明に誘導し、少なくとも一つのチェック欄を置いて、各株主が自分の株式に対する会社の裁量を拒めるようにする。案では複数の提案に一つの欄を使える。

二つの変更は別の段階に作用する。14a-8の撤廃案は掲載義務を誰が決めるかを変え、14a-4案は会社のカードに載らない提案について、会社が受け取った委任状で投票できる範囲を広げる。SECは、これにより会社が提案を自社カードに載せる動機が弱まる可能性を示しているが、これは予測であって観測結果ではない。チェック欄も提案段階の安全策であり、提案の掲載や株主の認知・利用を保証しない。

別の現行措置として、SEC企業金融部は2026年8月14日から規則14a-8のノーアクション要請への回答を停止した。会社には、提案を除外する際の通知義務が残る。このスタッフ運用の変更は規則の撤廃ではなく、S7-2026-32が検討されている間も規則自体は有効だ。

SECは、短い説明で十分か、選択欄をまとめるか提案ごとに設けるか、会社と提案者のカードをどう調整するかについて意見を求めている。株主がチェック欄を実際に使えるかは、こうした設計に左右される。現時点で、議題へのアクセスと委任状の投票権限は別個の論点である。

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