要約

  • RIPE 94・95の現行募集では、応募案内を受ける前にRIPE 101を受講し、小テストに合格する。締め切りは2026年11月23日。
  • Galanteは文章の言語チェックを認めつつ、AIが考えや動機を書き換える問題を指摘した。面接は検討案で、現在の要件ではない。

応募フォームに進む前に、候補者はRIPE NCC Accessのアカウントを作り、RIPE 101を受講して小テストに合格する。そこまで済ませて初めて、Fellowshipの申請案内が届く。講座は共通の基礎を確かめる。申請書が答えるべきなのは、その人がRIPEコミュニティで何を学び、何に関わりたいのかだ。

RIPE 93に向けて用意された「The RIPE Fellowship — One Year On」のスライドで、Michela GalanteはAIによる応募文の問題を短く示した。「AIを使うと、みんな同じように聞こえる」。RIPE Fellowshipの公式ページも、AIを使わないよう勧める。目立つ申請は、応募者自身の姿が伝わるものだという。

Galanteはさらに、応募フォームだけに頼らず候補者と面接する可能性を挙げた。これは検討中の案で、現在のFellowship案内に加わった手順ではない。会話なら、整いすぎた文章の陰にある動機を聞ける。一方で、即答の速さや話し方の流暢さが評価を左右する危険もある。面接を加えるなら、審査員が何を見るのか、応募者がどんな言語支援を受けられるのかをRIPEが先に公開すべきだ。

これは文章の好みの話ではない。選考委員会は、応募者の個人的な関心がRIPEの活動にどう結びつくか、地域とジェンダーの多様性をどう確保するかを見る。誰にでも当てはまる文章が並べば、最初の判断は難しくなる。小テストはRIPE 101を終えたか確かめられるが、なぜその人がルーティング、インターネット測定、アドレス管理、インターネットガバナンスを学びたいのかまでは書けない。

GalanteはRIPE NCCのSenior Community Development Officerだ。地域コミュニティとの関係づくりや、RIPE Atlas、RIS、K-root、AuthDNSなどの展開を支えている。2013年にRIPE NCCへ入り、その前にはソフトウェア開発のプロジェクト管理を10年経験した。彼女が紹介した刷新で、コミュニティへの継続参加が中心に置かれるのは、日々の仕事ともつながっている。

スライドは旧目標と新目標を対比する。以前は多様な新しい声をRIPE Meetingに連れてくること。今は、その声がRIPEコミュニティの中に居場所を見つけられるよう支えることだ。理由も明快だ。「RIPEコミュニティは高齢化し、新しい参加者が足りていない」。会議室に一度来てもらうだけでは、その後の参加は続かない。個人別の学習計画、コーチ、会議後も続く仲間のネットワークが必要になる。

新しいFellowshipは会議の前・最中・後の3段階で進む。参加者にはコーチが付き、個別通話、グループ通話、個人学習計画、公開スピーチやソフトスキルの講座、会議での個人目標が組み込まれる。学習テーマはDNS、インターネットガバナンス、IPアドレス管理、IPv6、測定とツール、ルーティング、セキュリティの7分野から選ぶ。会議後もFellow同士の連絡を保ち、知識共有やコミュニティへの還元につなげる構想だ。

公開されている選考は、FellowshipのコーディネーターとRIPEコミュニティ参加者による委員会が担う。個人の関心とRIPEの活動の一致、地域とジェンダーの多様性に加え、地理、利害関係者、関心の幅も考慮する。講座は入口の条件を確認する。申請書には、その人ならではの情報が要る。

RIPE NCCの第191回理事会議事録は、次回に向けた課題としてAI生成の応募書類とプログラムの一部自動化を並べた。ただし、どの作業を自動化するのか、申請書を機械が採点するのかは記されていない。コーチとの通話日程を管理する仕事と、応募者の学習目標がコミュニティに合うか判断する仕事は別物だ。

RIPE 94とRIPE 95の応募期限は2026年11月23日。Galanteの短い警告は、今期の申請が答えるべきことを示す。講座を終えたあと、応募者本人の声が伝わるかどうかだ。

出典