要約
- .jpの管理権限は、1986年8月5日のJon Postel博士によるJun Murai博士への委任に始まり、2002年にIANA報告書とICANN理事会の承認を経て日本レジストリサービス(JPRS)に再委任された。
- 2002年2月12日にICANN理事会が承認した.jp ccTLDスポンサー契約は、2月27日に署名され、2002年4月1日に発効した。同契約第3.1条はJPRSをSponsoring Organizationとして認識している。
- 2001年11月9日のJPRS–JPNIC覚書は、JPRSがJPNICが定めたJP-DRPを採用すること(第6.4条)、.jpにおける財産権の主張の禁止(第6.5条)、デレゲシー地位の譲渡禁止(第6.7条)を定め、第7条に報告と違反時の再移転の仕組みを置いている。
- 2025年6月2日以降、属性型・地域型の仮登録期間が1年以上に達すると更新料が課される改正が施行され、2026年1月7日には、日本語教育機関(文部科学省認証)がAC.JPの登録資格を得た。
- 2026年2月24日、JPRSはJP-DRPの手続規則を改正する告知を公表した。争議救済の管理面そのものの変更であるが、改正の実質内容は取得可能な抜粋からは確認できず、不確実性として残る。
委任の起点
IANAのルートデータベースは現在、日本レジストリサービス株式会社(東京都千代田区)を.jpの管理者として記録しており、登録サービスはjprs.jp、WHOISはwhois.jprs.jpとされている(出典)。この記録の背後には、2002年2月8日のIANA報告書がある。同報告書は、.jpが1986年8月5日にDr. Jon Postelによって国・地域のテストケースとしてDr. Jun Muraiに委任された経緯を確認した上で、日本政府がJPRSを適切な民間管理者として承認した(2002年1月30日)ことを踏まえ、「JPRSの責任を果たすコミットメントが実効的に担保されることを条件に」JPRSが.jp ccTLDの適切なデレゲーであると結論づけた(出典)。
スポンサー契約と覚書
2002年4月1日付の第二のIANA報告書は、2002年2月12日にICANN理事会が社長に対し.jp ccTLDスポンサー契約の署名を承認したこと、契約が2月27日に署名され4月1日に発効したこと、ICANNがJPRSを管理者として認識したこと(第3.1条)、GAC原則第10条の説明責任の枠組みで結論づけたことを記録している(出典; 出典)。
スポンサー契約自体は、JPRSにネームサービスの提供(第4.1条)、JPNIC・政府当局・管理者が承認するエージェントによるレジストリデータのエスクロー(第4.3条)、適用されるICANN政策への適合(第4.5条)、ICANNへの財政的拠出(第4.6条)を義務付け、ICANN政策策定における事前通知・意見陳述・書面による表明の機会を管理者に与え(第5.1条)、第6.3条は政府当局とJPNICの調整を伴う後継者への再委任とレジストリデータの移転を定めている(出典)。
2001年11月9日のJPRS–JPNIC覚書は、スポンサー契約の締結を移転の条件とし(第2条)、JPNICが確立したJP-DRPの採用(第6.4条)、.jpにおける財産権の主張の禁止(第6.5条)、デレゲー地位の譲渡の禁止(第6.7条)、エスクロー(第6.10条)と再移転までの運用継続(第6.11条)を定める。第7条はJPNICへの報告、JPNICと政府当局の間の違反協議、書面による再移転通知と後継者の選定という監督の仕組みを創設した(出典)。
JP-DRPの拘束
JP-DRPは参照によりJPRSの登録規則の不可欠な一部とされており、登録者は認定された争議解決サービス提供者が運用する手続に服し、パネルの決定に従う義務を負う(出典; 出典)。
2025–2026年の管理面の変更
2025年6月2日に施行された属性型・地域型JPドメイン名登録規則の改正では、仮登録期間が1年以上に達した場合に登録更新料が課されるようになり、仮登録期間が延長された場合の本登録期間に関する例外が第21条第3項として追加され、仮登録の申請者定義(第21条第1項)と添付書類(第22条第2項、付属書1-3)が改正され、JPRSが必要と認めた場合には設立計画や名称変更の証明が求められるようになった(出典)。
JPRSの2025年4月1日のプレスリリースは、改正前はAC.JP、CO.JP、ED.JP、GO.JP、OR.JPのすべての属性型仮登録が6か月で上限だったところ、2025年6月2日以降はAC.JP/ED.JPの仮登録期間が明確な設立計画を条件に、設立または名称変更の予定日に合わせて延長可能になったことを説明し、半年以内に設立できない学校という動機を挙げている(出典)。
さらに2026年1月7日付(2025年10月30日から先行適用)の改正で、同一規則の付属書1に、日本語教育推進法(2024年4月1日施行)に基づき文部科学省から認証を受けた日本語教育機関がAC.JPの登録資格を得る組織として追加された(出典)。
2026年2月24日、JPRSはJP-DRPの手続規則を改正する告知を公表した(出典)。これは争議救済の管理面そのものの変更だが、取得可能な抜粋からは改正の実質内容を確認できず、本稿はこの点を不確実性として明示する。JPRSのレジストラ向け告知索引には、さらに2026年3月18日(gTLD関連ドメイン名規則)および2026年3月30日(Whois/RDAP代理開示サービス開始)の改正が記録されており(出典)、2026年に入ってもJPRSの管理面が継続的に改訂されていることを示している。
したがって、.jpの管理面は2002年に構築された文書体系の上に立ちながら、登録要件と争議手続の両方について過去21か月間に複数回改訂されており、公表時点での有効性は各改正告知によって確認する必要がある。
出典
- IANAルートデータベース — .jp
- IANA報告書(2002年2月8日)
- IANA報告書(2002年4月1日)
- .jp ccTLDスポンサー契約
- ICANN ccTLD — 日本
- ICANN ccTLD概要
- JPNIC告知(2002年2月28日)
- JPRS–JPNIC覚書(英文)
- JPNIC覚書(2001年11月16日)
- JP-DRPとは
- JP-DRP(日本語)
- JP-DRP規則(2020年10月1日)
- JP-DRPガイド
- 認定争議解決サービス提供者
- JPドメイン名紛争処理(日本知的財産仲裁協会)
- JPRS告知(2025年6月2日)
- JPRS告知(2026年1月7日)
- JPRSプレスリリース(2025年4月1日)
- JPRSレジストラ向け告知索引
- JPRS告知(2026年2月24日)
- JP Direct(2025年5月27日)
- ザイケイ発表資料
- 汎用JPドメイン名登録規則
- 属性型・地域型JPドメイン名登録規則
- ドメイン名データ取扱規則
- 登録規則改正資料(2-2)
- JP-DRP運用会議録
- レジストリレポート2024
- JPNIC第13条覚書(2021年12月15日)
- JPNICドメイン名移行経緯
- JP Direct(2025年4月30日)
- JPRSドメイン名紛争処理について
- BTWディレクトリ:JPRS
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