要約

  • Jonathan BrewerはAPNICの執行評議会に任命制の独立理事を加え、経験と代表性を広げる案を示した。評議会は2024年12月、2025年中に規約改正を進めるか判断する意向を示した。
  • 2026年2月10日の署名付き回答は全席選挙制を維持すると決め、立候補資格、手続き、実務上・文化上の障壁を話し合うよう事務局に求めた。

投票箱は、紙に載っていない名前を選べない。Jonathan Brewerが2024年9月のAPNIC会員会合で挙げたのは、執行評議会のジェンダーの偏りと独立理事という手段だった。同年12月の回答で評議会は、任命席が組織構造や手続きに与える影響を検討し、2025年に規約改正を目指すか決めると伝えた。

Brewerは2025年2月の書簡で論点を磨いた。多様な理事会ほど収益が増すという分かりやすい売り文句について、単純な因果関係を裏づける材料は弱いと指摘した。彼が重視したのは監督、リスクへの目配り、経験の幅だ。独立理事の任命は、通常の選挙経路からは現れにくい視点を席に届ける一案だった。

2026年2月10日の正式な返書は、席の選び方に結論を出した。APNICの評議会は、全員を選挙で選ぶ仕組みが説明責任、透明性、会員の信頼の要であり、席の構成を決める最終権限は会員にあるとした。当面、任命制の独立理事席を設けない。専門的な知見は必要に応じて外部助言を得る。代表性については、立候補資格、選考手続き、実際の負担、文化的な障壁を調べる議論を事務局に求めた。

席を任命で埋めれば、次は任命する側の権限が問題になる。全席選挙なら最後の選択は会員に残る。その代わり、候補者の裾野を広げる作業が投票前に必要だ。2月の返書は、当時会員承認待ちだった任期制限にも更新の機会を見た。3月の追伸では回答の遅れを認め、代表性の議論を続けると述べ、任期制限が導入されたと報告した。

Brewerの提案した椅子は増えなかった。APNICが約束したのは、そこへ向かう廊下を広げる仕事だ。