要約

  • RIPE NCCのDatabaseチームは2025年8月、e164.arpaのRDAP対応を実装し、RFCに記すと述べた。
  • 2026年11月1日の2つの照会はいずれもHTTP 501。応答はENUM未対応と明記し、Whoisの43番ポートを案内する。

RIPE 93の記録には「進展」がある。だが、10月29日のDatabase Working Groupでは、RIPE NCCの担当者がコミュニティに「この実装を進めるべきか」と問い、賛同があれば実装に進めると話した。日付も、リリース番号も出ていない。11月1日に公開エンドポイントを引くと、e164.arpaも6.4.e164.arpaも501だった。議事録の一語と実際のAPI応答のあいだには、まだ一本の橋が架かっていない。RIPE 93の会議記録

話は15カ月近く前にさかのぼる。2025年7月、Database Working Groupの参加者が、ENUMの子ドメインに対するRDAP照会で500、e164.arpa本体で400が返ると報告した。RIPE NCCは、RFC 9082のRIR向けドメイン照会にこのゾーンは含まれていないと説明し、サービスを見つける方法と、他のRIRがRIPE NCCへ転送するかを論点に挙げた。8月5日、チームは実装を進め、RFCで記述し、Whoisとの機能差を埋めると回答した。Database Working Groupの原スレッド

それから現在まで、回答コードは変わった。以前の報告にあった400と500は、いまは「Not Implemented」を示す501になった。しかし、二つのパスは同じ説明を返す。問い合わせ先も残る。応答本文のport43フィールドは、Whoisサーバーのwhois.ripe.netを指している。これならクライアントは失敗の理由を読めるが、新しいRDAP経路は使えない。

e164.arpaが扱うのは電話番号そのものの登録画面ではなく、E.164番号からインターネットURIへの対応をDNSで引くための名前空間だ。IANAはその用途をそう記載している。RDAPは別の窓口で、登録データをHTTPS経由で取得する。RIPE NCCの文書はdomain型をサポート対象に挙げ、逆引きDNSの例を示す。ENUMの枝は、その一般的な型の一覧だけではカバーされない。IANAの.ARPA一覧 · RIPE Database RDAP文書

議論には運用上の数字も一つある。RIPE NCCによれば、Whoisログにはe164.arpaドメインへの照会が1日数百件あった。この数値が数えるのは旧プロトコルへの照会で、利用者数、通話数、RDAPクライアント数、移行ペースは示さない。同じ条件で比較できるRDAP側の件数は公開されていない。

設計には組織間の接点がある。RIPE NCCはゾーンを運営し、標準化とRIR間の転送方法を議論した。RIPEの副議長は、草案を出す前にIAB、ITU-T、委任先の運営者と調整するよう促した。これは単なる会議の作法ではない。クライアントが正しいRDAPサーバーを見つけ、各RIRが同じ答えへ導くには、発見方法と委任関係をそろえる必要がある。

RIPE NCCの2025年の約束と2026年の進捗報告を、運用者が照合できる公開リリース記録はまだ示されていない。草案番号か、配備した版を記したリリースノートが出れば、次の確認対象は501から成功応答への変化になる。いま公開されている証拠は二つの501、そしてWhoisへの案内だ。

出典:RIPE NCC Database Working Groupスレッド、RIPE 93の記録、RIPE Database RDAP文書、e164.arpaの応答、6.4.e164.arpaの応答、IANA .ARPA一覧。