要約

  • 2026年10月8日のRIPE正規照会では、aut-num AS210860のオブジェクト端末がHTTP 404を返し、type-filter付き全文検索も「ERROR:101: no entries found in source RIPE」を返した。これは観測時点の照会結果であって、削除日時や理由を示すものではない。
  • 組織オブジェクトORG-EDG14-RIPEは存続し、org-nameは「EDEKA Verwaltungs- und Beteiligungs GmbH」、org-typeはLIR、作成2021-06-10、最終更新2026-06-29(RIPEのfiltered応答、2026-10-08取得)。この組織オブジェクトはRIPEのレジストリ上のオブジェクトであり、法人登記簿の記録ではない。2021-10-27という日付はaut-numに関する歴史的ミラー描画として扱い、本組織オブジェクトの観測と混同しない。filtered応答は変更属性を開示しないため、変更内容は不明のままである。
  • 経路層は対照的である。RIPEstatの窓付き観測(照会窓2026-10-08T00:00–08:00 UTC、最低10 RIS full-feed peer可視)は、AS197909がIPv4プレフィックス4個(193.20.0.0/15、94.154.2.0/24、185.240.72.0/22、193.35.80.0/22)とIPv6プレフィックス項目5個(2a12:ee40::/29、2a0d:6140::/29、2a07:2680::/29、2a0c:7580::/29、2a0d:6140::/32)を告知していることを返す。四つのIPv4プレフィックス/AS197909の組合せはいずれもRIPEstat rpki-validation(Routinator、2026-10-08取得)でvalidと検証された。IPv6についてはRPKI検証を行っていない。193.20.0.0/15がAS197909(prefix-overview上のホルダー表記はEDEKA-RS EDEKA Rechenzentrum Sued Betriebs GmbH)単独で告知されていることは2026-10-07T16:00Z時点で既に一次検証済みである。

一次照会が示したこと:aut-numとorgを分ける

まず、2026年10月8日00:29ZにRIPE Databaseの正規REST端末 rest.db.ripe.net/ripe/aut-num/AS210860.json を照会したところ、HTTP 404が返った。続く00:30Zには、source=ripe・type-filter aut-num を付けた全文検索(rest.db.ripe.net/search)も404と「no entries found in source RIPE」を返した。つまり、この照会経路からはaut-numレコードが現時点で取得できない。ただしこれは「オブジェクトが削除された日付」「消滅した理由」を証明するものではなく、観測された照会結果そのものに留める。

対照的に、組織オブジェクトORG-EDG14-RIPEは同一照会時刻に取得できた(rest.db.ripe.net/ripe/organisation/ORG-EDG14-RIPE.json)。filtered応答で確認できた属性は、org-nameが「EDEKA Verwaltungs- und Beteiligungs GmbH」、org-typeがLIR、作成が2021-06-10T07:41:43Z、最終更新が2026-06-29T07:50:35Zである。この最終更新日付は、ミラーが長らく描画してきた2021-10-27というaut-numの最終更新、およびIPIP.NETが主張していた組織オブジェクトの2026-05-13更新のいずれとも一致しない。filtered応答ではどの属性が変更されたかは明らかにならないため、変更内容は不明のままである。

重要な区別はこれだ。RIPEの組織オブジェクト(ORG-EDG14-RIPE)はレジストリ上のオブジェクトであり、法人登記簿の記録ではない。それは存続しているが、aut-num AS210860は現時点で正規照会から取得できない。この二つを「登録層」として一括りに語ることは、もはや正確ではない。旧稿が主張した「登録層は2021-10-27から凍結されたまま」は、aut-numに関する歴史的ミラー描画値に基づく主張であり、今回の一次照会結果と対立するため、現状の事実としては維持できない。2021-10-27の日付は、以前のミラーが描画した歴史的値としてのみ言及できる。

経路層:193.20.0.0/15はAS197909単独で告知

経路層の一次検証は、単一の/15観測にとどまらない。まずRIPEstatのprefix-overview(query_time 2026-10-07T16:00:00)は、193.20.0.0/15が告知中であり、起源ASはAS197909のみ、ホルダーは「EDEKA-RS EDEKA Rechenzentrum Sued Betriebs GmbH」、フィルタ済み起源や関連プレフィックスはなしと返す(stat.ripe.net/data/prefix-overview)。これらの観測はAS210860の登録状態については何も語らない。

この/15は運用の大部分を占めるが、全部ではない。RIPEstat announced-prefixes(照会窓2026-10-08T00:00–08:00 UTC、最低10 RIS full-feed peer可視、stat.ripe.net/data/announced-prefixes)は、AS197909に対しIPv4プレフィックス4個(193.20.0.0/15、94.154.2.0/24、185.240.72.0/22、193.35.80.0/22)とIPv6プレフィックス項目5個(2a12:ee40::/29、2a0d:6140::/29、2a07:2680::/29、2a0c:7580::/29、2a0d:6140::/32)を返す。IPv6側は「項目」であり、2a0d:6140::/32は/29に完全包含されるため、5個の項目が5個の互いに素なアドレスブロックを意味するとは限らない。RIPEstat routing-status(query_time 2026-10-08T08:00、stat.ripe.net/data/routing-status)は、IPv4で326/327、IPv6で316/316のRIS peer可視、告知IPv4空間は4プレフィックス合計133,376 IP、observed_neighbours 2を返す。この端末は91.229.21.0/24をfirst_seen(2011-07-01起源)として記録するが、これはRIS観測境界であり、窓付きannounced-prefixes検索には現れていないため、現時点の告知状態やRPKI検証状況は本観測内では確立していない。

AS210860の経路観測は歴史的なものしかない。以前の観測では、Hurricane ElectricのAS210860ページ(記載時点2026-07-14)とRIPEstatリソースビュー(2026-09-14のデータ点)はいずれもゼロ告知を表示していた(bgp.he.net/AS210860、stat.ripe.net/resource/AS210860)。2026年10月のAS210860起源経路に関する一次観測は存在しない。

ピア数は収集器依存のスナップショットに過ぎない

Hurricane Electricのスナップショットは、AS210860の観測ピアを1(AS9211)、AS197909を2と表示する(bgp.he.net/AS210860、bgp.he.net/AS197909)。観測時刻が不明な過去の収集器ページ観測である。RIPEstat routing-statusは2026-10-08T08:00時点でAS197909のobserved_neighboursを2と返すが、これは別の測定経路であり、収集器間で共通する数値として扱うことはできない。収集器間の乖離については、共通の数値は本観測内では確立されていない。したがって提示できるのはHEの1/2とRIPEstatの2という、それぞれ収集器と時点に依存するスナップショットで、永続的事実ではない。

自己申告と実観測の矛盾、および登記・移転のミラー値

PeeringDBのレコード(net 37752)は、AS210860がIPv4プレフィックス10個とIPv6プレフィックス1個を持ち、オープンなピアリングポリシーを掲げると自己申告している(peeringdb.com/net/37752)。これは歴史的な経路観測(ゼロ告知)と正面から矛盾する。自己申告と実観測の矛盾は未解消のデータ品質上の問題として残す。

ROA状況は部分的にしか解消されていない。ping.peは193.20.0.0/15に対する単一のカバリングROA(AS197909、max-len 15)を示し(records.ping.pe/193.20.0.0/15)、check-host.ccはAS210860・max-len 24を含む二つのROAを掲載する(check-host.cc)。このミラー間の不一致は未解決のまま残す。

ここに一次検証を重ねる。RIPEstat rpki-validation(Routinator、2026-10-08T12:27Z前後に取得)は、四つのIPv4プレフィックス/AS197909の組合せをすべてvalidと返す。193.20.0.0/15(max-len 15)、94.154.2.0/24(max-len 24)、185.240.72.0/22(max-len 22)、193.35.80.0/22(max-len 22)である。これは、取得時点でAS197909・max-len 15の有効なカバリングROAが実在したことを確認し、ping.peの描画と整合する。ただしcheck-host.ccのAS210860・max-len 24 ROAが現に有効なのか、あるいは無効(stale)なのかは、この検証では判定されない。またRPKIはこの四つのIPv4組合せについてのみ検証した。IPv6プレフィックスやAS210860起源の組合せは検証していない。RPKI validは経路起源の暗号学的認可を示すものであり、アドレス空間の法的所有を証明するものではない。

企業登記と移転の数値は引き続きミラー依存である。登記ミラーは、EDEKA DIGITAL GmbH(HRB 113314、旧Lunar GmbH)がEDEKA Verwaltungs- und Beteiligungs GmbH(HRB 90516)に合併し、登記日は2025年8月5日、EDEKA DIGITAL GmbHは消滅と記録する(Northdata HRB 90516、Northdata HRB 113314)。dcxv.comは2025年12月23日に、EDEKA DIGITAL GmbHからEDEKA Verwaltungs- und Beteiligungs GmbHへのRIPE経由の/24 IPv4移転を「合併または買収」として記録する(dcxv.com)。ただし受領側の国ラベルがATとされる点はハンブルク登記と矛盾し、この単一ミラー記録が法的承継をどこまで証明するかは確定していない。Handelsregister.deの一次公表は本観測内で取得できなかったため、登記の正式な文言は一次資料に固定できていない。

登録層と経路層の対比が本件の本体である

まとめると、一次で検証できるのは五点である。(1) ORG-EDG14-RIPEは存続し、2026-06-29の最終更新を持つ。(2) aut-num AS210860は2026-10-08の正規照会で該当なし。(3) 193.20.0.0/15はAS197909単独で告知(2026-10-07T16:00Z)、2026-10-08窓ではIPv4プレフィックス4個・合計133,376アドレスとIPv6プレフィックス項目5個を告知。(4) 告知IPv4アドレスのうち131,072が/15に属し、133,376に対する比は約98.27%を計算する。これは2026-10-08T08:00のスナップショット上の透明な算術であり、他の日付を保証する値でも、可視性が完全であることを保証する値でもない。(5) 四つのIPv4プレフィックス/AS197909の組合せはRPKI valid。ここから読み取れるのは、番号資源の「名義」を担うaut-num層と、実際の「運用」を担うAS197909層が別々の状態にある、という構造そのものである。AS210860のaut-numがなぜ、いつ、どのように現在の無結果状態になったのかは、本観測では判明していない。

出典