要約
- AFRINICは、2023年は承認済み予算がなかったため、自己資金による対外活動・出張はなかったと報告した。
- 同じページは、第三者が全額支援した39件を掲載する。内訳はStaffが37件、Othersが2件である。
- NRO単独が21件、ICANN/NROが1件ある。確認できるのはNROに言及した表の22件であり、22人または22回の独立した移動ではない。
- 現資料は、見返り、贈賄、不適切な贈答、利益相反、スポンサーによる意思決定を証明しない。
- 現在の「理事会」とReceiverは、監査や事後承認で各支援を正当化する前に、費用・受益者・承認・相反・成果の台帳を公表すべきだ。
表が数えているもの
AFRINICの財務要約5ページには、予算が承認されていなかったため、2023年はAFRINIC資金による対外活動や出張を実施しなかった、とある。その直後に、職員とその他の関係者が第三者の全額支援を受けて移動したと記されている。
表の末尾はStaff 37、Others 2、合計39件を示す。スポンサー欄ではNRO単独が21件、ICANN/NROが1件だ。したがって「NROに触れた記録は22件」とはいえる。ただし、同じ都市・会合・日程が繰り返され、期間が重なる例もある。39件を39人、39回の独立出張、39の別個のイベントとみなすことはできない。
他にはAPNIC、ZANOG、NAIGF、ATU、ナイジェリア通信委員会、ICANN、MACRA、TISPA、リビア国家安全保障会議、ABDI、TESPOKとHuawei、NIC.MG、BOCRAが記載される。IPv6研修、規制機関との会合、インターネットガバナンス会議など、RIR業務と合理的な関連を持つ活動は多い。
外部支援が危機下の技術活動と関係維持に役立った可能性は高い。支援それ自体を不正と扱うのは誤りだ。検証すべきなのは、資金提供者がどの制度的空間へのアクセスを可能にし、AFRINICがどの条件でそれを受け入れたかである。
行き先は見えるが、取引経路は見えない
公開表には、行き先、日付、会合名、StaffまたはOthersの人数、部署、スポンサーがある。AFRALOがICANNに送った2023年8月の書簡は、7月24~25日のアクラ総会でAFRINIC職員から状況説明を受けたと確認する。表にも同じ時期のガーナが2件あり、スポンサーはICANN/NROとNROだ。
これは活動の存在を裏づけるが、誰が移動したか、どちらの記録が説明を担ったか、費用をどう分担したかは分からない。航空券、宿泊、日当、査証、地上交通などの金額は一件も示されない。招待、選考基準、受入れ権限、スポンサー契約、利益相反申告、回避、成果物、出張後報告もない。
要約3ページにはTravel Expensesとして8,179米ドルが計上される。5ページによれば、これはPriority Passの1年更新と前CEOの裁判出席のための移動だ。「AFRINIC資金による対外活動・出張なし」を「旅行関連支出ゼロ」と読み替えることはできない。
スポンサー欄だけでは支払方法も分からない。航空券やホテルを直接購入したのか、本人かAFRINICに払い戻したのか、一部だけを負担したのか、複数組織で分担したのか。この区別なしに利益額を推計することも、依存関係が検証済みだと扱うこともできない。
NROの議事録が示す支援の意思決定
NRO執行評議会の2023年4月議事録は、年間予算を公的決議で承認したと記録する。AFRINICに関するコミュニケーション・タスクフォースで財政支援を求める可能性、AFRINIC関与計画の更新も記載された。
ASO ACの2回目の対面会合をめぐっては、日本開催は非常に高額になるとしてワシントンを提案した。議長は、会合を支援するならNRO予算でAFRINICメンバーも支援すべきだとの意見に同意した。3月議事録には、費用を4つまたは5つのRIRで分担する案と、AFRINICの通常運営への復帰に応じた年末精算がある。
つまりNROには、AFRINICをめぐる予算と支援の能動的な意思決定面があった。しかし、NROが記載された22件のいずれにも、予算項目、金額、受益者、承認文書を接続できない。制度的目的が合理的でも、取引の橋は必要だ。
近くにある、より検証可能な仕組み
ICANNの一般的な出張支援指針は、航空券、宿泊、食事手当を区別し、文書化された公開選考を奨励する。雇用主との利益相反が問題になり得る場合の承認を求め、支援イベント後に未監査の費用報告を公表するとしている。
ccNSOのICANN77向け募集は、申請期間、活動貢献の条件、支援範囲、承認された到着・出発日、審査手続、支援を受けた旅行者一覧へのリンクまで公開した。これは比較例であって、AFRINIC職員が同じ制度を利用した証拠ではない。
AFRINICの内部通報ページも、利益相反と不適切な贈答の授受を通報対象に挙げる。2023年の支援が贈答や違反だったとは示さないが、受入れと相反の記録がAFRINIC自身のコンプライアンス領域に含まれることは示す。
予算の代替は、権力関係でもある
Heng LuのNote 41は、肩書や儀式ではなく、資本・ネットワーク・手続きを誰が支配するかを見る。承認予算がない年、外部資金はAFRINICが参加できる会合と接触できる組織を事実上選んだ。目的が正当でも、これは開示すべき支配関係だ。
Note 32は、制度の代理人が影響力を拡大する一方、失敗の損失を運用者が負う問題を指摘する。Note 52は、資金と場による制度的な後押しを、責任や救済から切り離してはならないとする。本件でこの原則は支配の断定ではなく、それを否定できる証拠を要求する。
2004年のNRO-AFRINIC覚書は初期支援に限られ、2023年出張を規律しない。それでも、支援を成果と包括的な財務報告に結びつけており、同業者支援と説明責任が両立することを示す。
現在の支配者には現在の開示責任がある
現資料は、現在の「理事会」やReceiverが2023年の旅行者を選んだとは示さない。両者への批判は、現在の資料管理に限られる。2025年10月の共同声明は、Receiverが2022~2024年の監査を委嘱し、理事会が公開前に報告書を検討し、移行期に共同作業していると述べた。
ならば、一件ごとの識別番号、受益者の役割、スポンサー、支払経路、費用区分、選考基準、受入れ権限、相反と回避、目的、会合での貢献、出張報告、後続成果を公開できる。個人情報はマスキングしても、金額、権限、成果を隠す必要はない。
新たな表は、予算の空白を外部機関が埋め、NROがスポンサー欄の過半数に現れたことを明らかにした。不当な影響は証明していない。だからこそ、現在の「理事会」とReceiverは、監査済み・公表済み・承認済みという言葉で個々の関係を追認せず、完全な台帳を独立した検証に開くべきである。
情報源
- AFRINIC定款
- AFRINIC 2023年財務要約
- AFRINIC 2023年監査済み財務諸表
- AFRINIC財務資料一覧
- AFRALOからICANNへの書簡、2023年8月28日
- AFRINIC内部通報ページ
- NRO EC議事録、2023年4月18日
- NRO EC議事録、2023年3月21日
- NROによるAFRINIC公式Receiverの説明
- NRO-AFRINIC覚書
- ICANNコミュニティ出張支援指針
- ccNSOのICANN77出張支援募集
- 取引別権限記録を求めるNRSメンバー行動
- Heng Lu Note 52:レジストリ権力と責任
- Heng Lu Note 41:権力・正統性・AFRINICロックイン
- Heng Lu Note 32:インターネットガバナンスの代理問題
- RIRガバナンスの運用影響を論じるLARUS
- BTW関連記事:AFRINIC選挙の隠れたコスト
- AfrICANN掲載の理事会・Receiver共同声明


