要約

  • 2004年のGmailプレビューは、1GBの保存容量と送受信メールの検索を、本文に合わせて表示される広告と同じ受信箱に組み合わせた。
  • Googleは最近の別メールを使う自動照合を説明し、2017年には一般向けGmailの本文を広告のパーソナライズに使わないと発表した。

消す作業を減らすことが売りだった

2004年4月1日、Googleは限られた利用者向けにGmailのプレビューを発表した。告知が前面に出したのは、1,000メガバイトの保存容量、送受信した全メールの検索、分類や削除の手間を減らすことだ。単に大きな受信箱を作ったのではない。メールを残し、後から検索で見つける手順に置き換えた。

何年分もの通信を探せるようにするなら、以前なら削除していたメールをサービス側で保存し、索引化しなければならない。Googleはその継続性を利用者の負担軽減として語った。一方、保存され検索できるメールは、サービスの自動処理にも使える素材になる。

発表文はGoogleの広告事業に触れたが、本文が広告選択にどう結び付くかまでは詳しく説明していない。後の製品説明で接点が見えた。受信箱は静かな保管庫ではなく、検索・保存・広告が同じメール群を扱う場所だった。

広告は開いているメールを追った

2010年1月、GmailのプロダクトマネージャーSteve Crossanは照合方法を説明した。ホテルの確認メールを開けば旅行広告が並ぶことがあり、今のメールに合う広告がなければ別の最近のメールを使う場合もある。Googleは選択が自動化され、個別メールから人が広告を選ばず、メールや個人情報を広告主に渡さないと説明した。

「誰かがメールを読む」とだけ表現すると実態がずれる。公開説明は、コンピューターが本文を処理し、隣に出す広告を選ぶというものだった。従業員が会話を読む話でも、広告主がコピーを受け取る話でもない。自動化は処理者と情報の行き先を変えたが、本文を商業判断から外したわけではなかった。

送信者とアカウント保有者は別人かもしれない。Gmailを選んでいない人が、Gmail宛てに文章を書くこともある。2004年4月6日、World Privacy ForumとPrivacy Rights Clearinghouseは31団体の公開書簡を公表し、懸念が解決するまでサービスを停止するよう求めた。書簡はGmail利用者ではない送信者のメールも問題にした。団体の要求であり、裁判所の判断ではない。

カリフォルニア州は処理条件を示した

カリフォルニア州議会の2003–04年公式要約は、SB 1822を条件付きの案として説明する。利用者がメールを見ている間に広告を自動かつ同時に表示する目的に限り、所定条件下で内容を評価できるというものだった。法案は州議会司法委員会で止まり、法律にはならなかった。

成立しなかった文面にも争点は残る。問題は保存や検索だけではなく、なぜ本文を処理するのか、広告をいつ出すのか、文章を書いたのは誰かだった。州の文書は議論を具体化した。内容を処理し、メールを見ている時間に広告を横へ出す、という行為である。

広告の入力を外しても保管庫は残った

2017年6月23日、Googleは企業向けGmailではすでに広告パーソナライズの入力としてメールを使っておらず、一般向けも同じ方針に移ると発表した。変更後は一般向けGmailの本文を広告のパーソナライズに使わず、その目的でスキャンもしない。広告は利用者の設定に基づくと説明した。

これは保存・検索の設計を取り壊す決定ではない。発表したのは広告をパーソナライズする入力の変更だった。受信箱、検索、その他すべての自動処理をなくすとは述べていない。保管庫の便利さを残しながら、本文を一つの広告目的から切り離せた。

公開資料で確認できるのは製品説明と方針変更で、照合件数、内部構成、広告収益への影響は分からない。規模を測るにはその記録が必要だ。設計上の選択は見える。Gmailは保存と検索を売りにし、保存した通信を広告選択に結び付け、のちにその用途を受信箱から分けた。

参照資料