要約

  • GACの10月26日付バリ声明によると、ICANN86で始まった60日間の協議を経て、出席メンバーが運営原則の事務的改訂を可決した。
  • 10月の改訂案は、IANA機能の移管をなお進行中と記していた前文を改める。ICANNは1998年に設立され、2000年にIANA機能の独立契約を結んだ。

会議の規則は細かい日付を守るためにある。ところが2025年版の規則集は、冒頭で時計を置き忘れていた。GACが公開する2025年6月版の運営原則は、冒頭でIANA機能がICANNへ「移管されつつある」と述べる。ICANNの公式史によれば設立は1998年で、IANA機能に関する初の独立契約は2000年2月だ。議事の入口だけが昔の待合室に残っていた。

GACはICANN87のバリ会合で、この文書の事務的な改訂を採択した。10月26日の声明は、ICANN86で開始した所定の60日間の協議後に出席メンバーが投票したと記す。運営原則を検討する作業部会は、表現の明確化、参照先や用語の更新、現行の実務との整合を図った。声明に投票数の内訳は載っていない。

作業部会が公開した10月の改訂案では、新しい前文がICANN定款第12.2条から始まる。そこにGACの設置、公共政策について助言する役割、自らの憲章や内部原則を定める権限が続く。移管を未来形で語る古い一文は消える。ICANNの設立文書にある公益と運用の安定性への言及も、現在の制度を説明する位置に置き直された。

運営原則は会議の招集、指導部の選出、理事会への助言の伝達に使われる。政府代表にとっては行動の手順であり、外部の人にとっては手順を検証する手掛かりだ。前文の時間軸が合っていれば、その後に続く手続きがどの機関の権限に属するかも追いやすい。

10月のPDFには今も「改訂案」と記され、採択の記録はバリ声明にある。次に必要なのは、採択日と条文を一緒に示す統合版だ。会議は済んだ。規則集の表紙をめくった人にも、その決定が届くようにしたい。

原資料:GACバリ声明、10月の改訂案、変更履歴付き文書、2025年の運営原則、ICANNの公式史; IANA機能の歴史資料。