要約
- 英国エネルギー安全・ネットゼロ省(DESNZ)は10月14日、消費者の同意に基づいて電力使用量・メーター、料金、メーター内側の設備データを共有するための法制度案を公表した。新しい単独基盤を作るのではなく、進行中のサービスを土台にする。
- データ保有者は、本人が自分のデータを閲覧したり第三者への共有を認めたりすることに直接課金しない案だ。しかし、認定第三者へのアクセス料、共通機能の財源、小規模事業者への保護策は協議中である。
既存サービスに法的な接続を加える
DESNZのエネルギー・スマートデータ立法枠組みの協議は、2025年データ(利用・アクセス)法に基づく規則を検討する。回答期限は2027年1月8日。初期対象は、家庭の消費・メーターデータ、料金情報、蓄電池やヒートポンプなどメーター内側の設備データだ。指定されたデータ保有者は、消費者の同意があれば、合意された方法で該当データを提供することになる。
運用の土台はすでに複数ある。Consumer Consent Service は許可管理や信頼の仕組みを整え、Elexon の Smart Data Repository と柔軟性資産登録はデータの利用可能性を高める。設備の可視化や料金の相互運用にも別の取り組みがある。今回の立法はそれらを置き換えるのではなく、共通の権利、義務、保護と統治ルールを加える構想だ。法律上の共有権が実際に使えるかは、各サービスが連携し、費用を賄えるかに左右される。
同意は無料でも、サービスの利用料は残る
案では、データ保有者が消費者に対し、自分のデータの閲覧や第三者への共有許可に直接料金を請求しない。一方、保有者が認定第三者(ATP)にアクセス料を求める余地は残る。ATPの比較・最適化サービスも無料とは限らない。したがって、同意に料金がないことは、共有サービス全体が無償であることを意味しない。
協議文書は具体的な料金表を示していない。認証、保証、相互運用、救済など共通機能を全体で負担するのか、参加者に配賦するのかを問う。データ保有者やインターフェース運営者がATPに請求できる場面、料金の算定と見直しも未確定だ。適用できる場合は、免許義務、業界コード、料金規制、中央機関の負担制度を利用し、適さない場合には2025年法の権限を検討するという。
政府は、高額な初期費用や予測しにくい継続費用が参加を妨げる恐れを示す。重複請求の回避や小規模企業・新規参入者への配慮も提案するが、現時点では原則にとどまる。
監督と苦情対応の担当も複層的
認定・承認は、今後設置される分野横断の調整機能と各データ領域の調整者が分担する案だ。Ofgem は法令の執行を担い、Energy Ombudsman は個別の消費者苦情と救済を扱う。DESNZは、複数組織が関わる場合の責任、問題の引き継ぎ、法的責任を明確にする必要性も認めている。調整機能の設計は別途協議される。
費用の負担先を決める際には、どの組織が料金に対応する機能を担い、失敗時に誰が説明するのかも示す必要がある。これは採択済みの制度ではなく、意見募集段階の提案だ。
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