要約
- Ofcomは将来の専門家報告に備え、市場調査の質問票を公開した。回答期限は2026年10月29日で、現段階で個別の専門家や報告書は示されていない。
- オンライン安全法104条では、Ofcomが専門家を選ぶか、事業者が選ぶ場合もOfcomが指名・承認する。調査項目はOfcom、費用は事業者。特定の技術通知には122条によりOfcomが選任した専門家の報告が先に必要となる。
注文書と請求書の宛先が違う
調査される会社が費用を出すなら、調査の注文書も書けるのか。オンライン安全法104条の答えは明快だ。Ofcomは専門家を直接選任できる。事業者に選任を求める場合にも、Ofcomが候補を指名するか、事業者の候補を承認する。報告で扱う事項を定めるのもOfcom。一方、報酬と経費は規制対象サービスが専門家へ直接支払う。金を出す人が、試験問題を自由に書き換えられる仕組みではない。
Ofcomの10月の業界向け告知は、技術、リスク、規制、保証業務の経験を持つ組織や専門家に予備的な市場調査への回答を求めている。締め切りは29日。目的は将来の報告に使える専門性を見極めることだ。これは人材の供給を探る段階であり、特定のサービスに対する調査命令や、専門家の選任結果ではない。募集の入口で判決まで想像すると、制度の順番を読み違える。
Ofcomの現行の情報収集権限ガイダンスによれば、この報告は100条の通常の情報要求より使う機会が少なく、重大または複雑な案件が主な出番となる。違反の可能性や違反リスク、低減策を調べる。Ofcomは能力と独立性、利益相反、機密情報の保護を確認する。通常は報告書の草案を求め、進捗も聞ける。外部の目を雇いながら、規制当局自身の問いを失わない設計だ。
事業者が候補を出す場合も、決裁印はOfcom
事業者は候補者の費用を比較できる、とガイダンスは認める。だが安い候補に自動的に決まるわけではない。Ofcomの承認と適格性審査を通る必要がある。法は事業者、関係する現職・元職員、他の関連インターネットサービスにも合理的な協力を求める。専門家は会社の用意した説明資料だけに閉じ込められず、より広い証拠に当たる経路を持つ。支払いが滞れば、裁判所を通じた回収も可能だ。
費用負担は小さな事業者には重い運営上の出来事になり得る。逆に調査の予算を絞りすぎれば、必要な技術検証の深さが失われる。だから専門家の名前と同じくらい、調査範囲、料金、利益相反の管理を読むべきだ。Ofcomがどの論点を指定し、報告をどう使ったかまで見えて初めて、「独立」という短い言葉に中身が入る。
さらに厳しい分岐がある。122条は、テロ関連または児童性的搾取・虐待のコンテンツについて121条の技術通知を出す前に、Ofcomが選任した専門家の報告を要求する。報告は通知を出すか、何を求めるかの判断に役立てる。判断するのはOfcomだ。ここでは事業者が候補を出して承認を受ける選択肢さえない。強い措置の直前ほど、選任権を規制当局の手元に固定している。
現時点の一次資料は、法律、ガイダンス、市場調査の告知である。次に見るべきは実際の選任方法、利益相反の確認、報告の指示書、料金、そしてOfcomの決定だ。請求書の金額だけで権力は測れない。誰が質問を作り、誰が答えを公的判断に変えるかで測る。
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