Summary

  • 2017年10月のARIN 40議事録には、Lee Howardの仮定の問いが残る。大手ISPが社内部門に過大なIPv4を割り当て、それを次のアドレス移転に必要性を示す資料として使ったらどうなるか、という問いだ。
  • John Sweetingは、移転の大きな受け手を審査する際には自社向け割り当ても再確認すると答えた。ARINはその後、旧来の大規模再割り当ての事前承認をARIN-2017-13で廃止し、2018年7月24日に実施した。

会場の議題は、登録サービス部門に積み上がる仕事だった。John Sweetingによれば、当時の規則では、一定規模のISPが大きなIPv4ブロックを顧客に再割り当てする前にARINの承認が必要だった。2016年の該当案件は千件を超え、約七割が社内の別部門への割り当てだったという。窓口には同じ会社から同じ会社への書類が山になっていた。無料のIPv4プールは既に尽きている。アドレスに値段が付いた今、無駄に大きな塊を配る動機は小さい。ならば、事前に全件を見る手続きは重すぎないか。

Howardはそこで、書類がきれいに揃う別の筋書きを示した。大手ISPがまだ安いと思ううちに、社内部門へゆったりしたブロックを渡す。後でIPv4の移転を受けたいとき、自分で作った割り当て記録を利用実績として差し出す。実際にそんな会社を見つけたという話ではない。価格と申請書がどう結びつくかを試した、制度への質問だった。

Sweetingの答えは「もう一度見る」だった。大規模な移転の受け手となる申請では、保有するアドレス全体を調べ、社内に振り向けたブロックについても必要性を確認する。以前の承認が、次の取得を自動的に正当化するわけではない。Howardはその説明を受け止めた。審査をなくす話に見えた瞬間、審査する時点の話へ変わった。

数字だけは議事録を慎重に読む必要がある。Sweetingは社内向けが「約70%」と説明したが、Howardは質問の中で「17%」と言った。この食い違いを一つの統計に丸めると、論点まで壊れる。ここで問われたのは割合そのものより、社内記録が追加取得の根拠になる局面だ。

翌年、ARIN-2017-13は大規模再割り当ての事前審査規定を削除する方向で進んだ。高価なIPv4を過大に配る経済的な抑制がある、という理由だった。理事会は2018年5月に採択し、7月に施行した。Howardの問いは改革を止めなかった。移転の審査でどの資料を確かめるのか、答えを記録に残した。

現行のARIN案内は、IPv4の/29以上のサブデリゲーションを七日以内に報告するよう求める。報告、事前承認、移転時の利用確認は別々の工程だ。Howardの一問は、その三枚の紙を別の机に置き直した。