要約

  • 連邦調達規則の対象となる豪州政府機関は、2027年3月1日より前に市場募集を締め切る調達で、KPMGと新契約を結べない。
  • 独立審査は、政府全体で重大事象の通知や供給業者行動規範の違反を確実に把握・処理する仕組みも、違反が確認された業者の完全な集計もないと指摘した。

一社への調達停止には期限が付いた。ところが、その制限を運用する政府には、ほかの供給業者について同じ規範違反が何件確認され、誰が処理し、契約判断にどう反映したかを示す完全な一覧がない。豪州財務省が2026年11月2日に公表したKPMG Australiaの独立審査は、個別企業の時計と政府全体の記録能力が別々に動いていることを明らかにした。

財務省は、2026年3月24日に上院でKPMGの行為、統治、企業文化をめぐる主張が取り上げられた後、この審査を委託した。審査員は6月24日に任命され、10月14日に財務省事務次官へ報告書を提出した。報告書は、KPMGが内部通報者の懸念に適切に対応せず、責任者が曖昧なまま複数の警告を結び付けて検討できなかったと結論づけた。報告が扱うのは、会社の統治、文化、通報への対応過程だ。

財務省の11月2日付調達方針は、KPMGが豪州政府と合意した停止期間を2027年2月28日まで延長した。連邦調達規則の対象機関は、市場募集が2027年3月1日より前に終了する場合、KPMGとの新規契約を締結しない。政府全体のパネルを通じた新規案件や、第三者との新契約でKPMGを下請けに選ぶ場合も含む。規則の対象外の機関には同じ対応が推奨されるが、同一の義務ではない。

停止措置は既存契約の一括解除ではない。例外は、機関の責任者が承認する既存契約の変更・延長と、政府機関がすでに使用しているKPMG独自製品の継続的なライセンスまたは販売だ。財務省によれば、一部の製品は各省の財務報告モデルとして使われている。新規の契約関係を止める一方で、現在の業務やソフトウェア利用はそれぞれの契約条件の下で続く。

改革にも具体的な日付がある。KPMGは11月15日までに実施計画を財務省へ提出し、同省の合意を得る予定だ。最初の四半期報告は2027年1月29日までに提出する。財務省は最長3年間、計画の実行を監視する。最初の報告で進捗が不十分なら、財務省は停止の再延長についてKPMGの同意を求める。実施が大きく停滞したり、新しい重要情報が出たりすれば、全面または一部の入札制限を再導入する可能性もある。

ただし、KPMGの計画を追う体制と、他の供給業者の行動を記録する体制は別問題だ。2025–26年度、豪州連邦政府は13,835社に87,112件の契約・変更を発注し、その合計額は1,172億豪ドルだった。コンサルティング関連は3,594件、7億8,140万豪ドル。契約を管理する機関が分かれているため、調達上の情報も各機関に散らばる。

ルール自体は存在する。2023年5月に導入された「重大事象通知」条項は、定められた重大な事実を知った供給業者に、契約先の政府機関へ速やかな通知を義務付ける。2024年7月には連邦供給業者行動規範が発効し、連邦調達規則の対象機関と契約する供給業者に誠実性や説明責任を求める。審査対象の過去の行為は同規範の開始前に起きたため、報告書は遡及適用を避け、現行制度の運用を別に評価した。

制度が弱いのは、第三者の情報を受け取って次の判断へ運ぶところだ。供給業者自身も、どの事象が通知対象か、どれほど詳しく書くか、いつ届けるか、法的制約がある場合にどうするかを十分に把握できていない。外部の人が機密情報を伝える場合、最初にどこへ出すのかも統一されていない。契約機関、財務省、規制当局、国家反汚職委員会、連邦オンブズマンのいずれが関わるかは案件ごとに違う。小規模な機関は調査能力を欠くこともあり、利益相反の懸念があれば独立した審査役が必要になる。

審査員は、政府全体で通知や規範違反がすべて見つかり適切に処理されていると保証する仕組みがないと結論づけた。そのため、財務省は違反が確認された供給業者の包括的な報告を作れない。案件ごとの対応はあっても、政府全体で件数や重複を比較し、同じ種類の問題をどう扱ったか説明できるとは限らない。審査は、連携が弱いままなら倫理に反する行為をした供給業者が新たな連邦契約を獲得する重大なリスクがあると指摘した。

八つの勧告のうち六つはKPMG、財務省またはその双方が実行し、二つは調達制度全体の見直しを政府に求める。財務省は、KPMGの実施状況を監視し、州・準州と情報を共有し、将来の入札自粛合意に一貫した手続きを設ける勧告を受け入れた。一方、制裁権の強化、供給業者の通知指針、第三者の通報経路、機関の調査支援、情報共有については政府の検討を待つ。KPMGの停止は期限と報告日が決まったが、次の供給業者問題を誰が最初に受け付けるのかは未決だ。

次の基準日は11月15日と2027年1月29日である。計画に実施項目だけでなく成果指標があるか。最初の報告が、取締役会の監督、内部通報者への支援、リスクの集約、改善後の行動を証明できるか。同時に、政府が他の機関からの案件を集める共通入口と記録を整えるか。計画と報告はまだ公表されておらず、改革が成果を測るのか、書類の提出を測るのかは判断できない。

出典