要約
- RFC 1295 は、North American Directory Forum が 1992 年 1 月に出した Informational 文書であり、Internet Standard ではない。Public Directory の項目と掲載について、非掲載、作成時の通知、項目の閲覧、不正確な情報の訂正、特定情報の削除、該当する米国またはカナダのプライバシー/情報アクセス法への適合、迅速な履行という七つの権利を記した。
- これは削除プロトコルでも安全性の保証でもない。公開部分と私的部分を分け、利用者または代理人が公開、私的、または両方への掲載を選べるとした。後に RFC 1295 を obsolete にした RFC 1417 は、競合する提供者、公共の名前空間、別々に管理される私的名前空間の協調を説明した。
RFC 1295, User Bill of Rights for entries and listings in the Public Directory が問うたのは、X.500 型のディレクトリが属性を保持できるかどうかではない。保持し、名前で引け、検索結果として返せることを、公開の正当性と同一視してよいのか、という問いである。North American Directory Forum の答えは、情報の露出を技術だけで決めない境界だった。ディレクトリが人を見つけやすくする前に、その人には掲載を拒む立場が残されなければならない。
同じ電話番号、電子メールアドレス、組織との関係でも、限定された業務上の文脈では単なる連絡情報でありうる。それが公開索引に入れば、誰かがその人に到達するための手掛かりになる。RFC 1295 は、利用者またはその代理人が情報を Public Directory、私的ディレクトリ、あるいは両者の組合せに掲載できると述べる。電話番号やメールアドレスを公開し、それ以外の情報を特定の私的利用に留める例も示す。重要なのは、フィールド自体に永久の安全性を与えることではない。誰がどの受け手に向けて載せる選択をしたかである。
公開名前空間は所有権の証明ではない
RFC 1295 の背景には、CCITT X.500 標準に向けた北米の協調型電子ディレクトリがある。文書は Directory を、サービス提供者と私的運営者が動かす電子ディレクトリの集合として扱う。項目中の情報は、セキュリティまたはプライバシーの制約がなければアクセスされうる。公開配布を意図した部分が Public Directory であり、他の部分は公衆向けでないことがある。
ここで名前空間の技術語彙は、権限の問題を解いたように見せやすい。階層、照会経路、複製関係は、クライアントが回答へ到達できる仕方を表す。しかし、それらは誰が受け手を選んだか、情報が正確か、代理人に権限があったか、通知が届いたか、依頼が処理されたかを決めない。可視性は観測された表面の性質であり、掲載の権限は当事者間の関係として別途示されなければならない。
1993 年に出され、RFC 1295 を obsolete とした RFC 1417, NADF Standing Documents: A Brief Overview は、その制度上の理由をよりはっきり書いている。NADF は競合する提供者が協調して Public Directory Service を実現しようとした組織で、公共の名前空間の隣に、それぞれが管理する私的名前空間があった。登録は Directory の外で行われ、実体は他者が探しそうな場所に載ることを選べた。公共の地図は到達経路を与えたが、地図を運営する誰かに、背後の私的記録を独占的に所有する資格を与えたわけではない。
RFC 1417 はさらに、X.500(88) には knowledge maintenance の手続が欠け、提供者間の競争ゆえに公共名前空間の専有管理は不可能だったと述べる。そこで記述された方向は、公共名前空間から私的名前空間へ協調的にリンクし、そのリンクには少ないペイロードしか置かないというものだった。これは、すべての実装がそう振る舞った証拠でも、削除要求によってすべてのコピーが消えた証拠でもない。むしろ、私的記録を一者が代表できないからこそ、共通の発見経路に責任の境界が必要だったことを示している。
通知は同意の代わりにならない
非掲載の権利に続いて、RFC 1295 は項目が作成されたときの通知を置く。この二つを一つの保護に縮めてはいけない。通知は、運営者がすでに起きた作成について連絡を発したことを、せいぜい示す。それは本人が作成を認めたこと、通知を読んだこと、範囲を理解したこと、有効な異議申立ての手段を得たことの証明ではない。
それでも通知には運用上の意味がある。黙って作られた項目なら、本人が気づくのは第三者が公開リストを見つけた後かもしれない。通知があれば、作成は追跡できる事象になる。行為、想定された受取人、時点、そして閲覧すべき対象が識別できる。そこで初めて、後に並ぶ閲覧、訂正、特定情報の削除が、どの記録に対していつ行使されるのかを持つ。
従って、権利の連鎖は一つの「プライバシー対応」として報告すべきではない。非掲載の指示を受けたことは、公開項目を作らなかったことを証明しない。公開項目があることは、本人の選択を証明しない。通知を送ったことは、同意を証明しない。本人が項目を閲覧できることは、内容の正確さを証明しない。訂正を求めたことは、表示中の版が変わったことを証明しない。提供者が自らの原本を更新しても、他のコピーが消えたことは証明しない。それぞれに、行為者、時刻、版、証拠が要る。
訂正と特定情報の削除は別の作業である
RFC 1295 が閲覧、訂正、特定情報の削除を分けたことは、一般的な「プロフィール編集」より鋭い。閲覧は、項目が何を主張しているかを本人が確認する手段である。訂正は正確性の問題を扱う。誤った住所、古くなった所属、誤って帰属された情報が対象になる。特定情報の削除は、情報が正確であっても、現在の公開受け手には見せ続けるべきでない場合を扱う。
必要な証拠も異なる。訂正には、どの主張が不正確で、どの改訂がそれに置き換わるかが必要である。選択的な削除には、どの属性を、どの受け手から、どの指示により外すかを示す必要がある。それは当人を取り巻くすべての関係、サービス、識別を当然に空白にするという話ではない。RFC は分散削除の手順も、複製の状態を検査する仕組みも定めていない。正確さと露出を別の問題として扱うための言葉を与えたのである。
七番目の「timely fulfillment」は、権利を提供者の仕事に接続する。フォームやポリシー画面があるだけで、依頼は処理済みにならない。もっとも RFC は世界共通の期限を指定せず、個別の争いを裁くものでもない。受領、対象の特定、判断、必要な改訂、応答というサービス上の責任を期待として記している。公開項目は属性の保管場所だけではない。
メモの境界を実装保証に変えない
RFC 1295 の形式は、その効力を読み過ぎないために大切である。1992 年 1 月の Informational 文書であり、Internet Standard ではない。NADF-265 のほぼ逐語的な複写であることも明記する。Security Considerations は、セキュリティ問題を論じないと述べる。よって、暗号化、各代理人の認証、コピーの防止、削除の保証、世界的に拘束力ある法規範をこの文書から導くことはできない。
米国またはカナダのプライバシー/情報アクセス法への適合という文言も、現時点の法令適合を証明しない。現代の法的テストを提供せず、別の法域を決めず、ディレクトリからの一回答を法的認証に変えない。その限定のなかでなお意味があるのは、運営者がフィールドと検索の間にいるだけの中立者だとは言えない点である。公開項目を扱うなら、手続上の責務をもつアクセス関係を扱っている。
したがって、目に見える結果から強い結論へ飛ぶべきではない。公開表示は同意も法令適合も示さない。表示が見つからないことは、かつて掲載されなかったこと、複製がないこと、削除が完了したことを示さない。受付番号は訂正を示さず、提供者にある新しい版は、すべての読み手が新しい版を受け取ったことを示さない。この RFC は質問の語彙を与えるが、残りの証拠の鎖を省略しない。
出典と証拠の限界
出典は RFC 1295 と RFC 1417 である。両文書は、1992 年 1 月の Informational という位置付け、NADF-265 との近い関係、X.500 を志向した協調的ディレクトリの背景、七つの権利、公開/私的ディレクトリの区別、競合する提供者と連結された名前空間についての後年の説明を支える。現在のディレクトリ、特定利用者の依頼、通知の受領、具体的な訂正、コピーの消滅、複製状態、法令適合、安全性の保証を立証するものではない。
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