Summary
- 2017年公表のRIPE-690にはJan Zorzを含む11人が名を連ね、顧客LANには持続するIPv6プレフィックスを強く勧めている。運用指針であり、レジストリの割当規則ではない。
- 接続点ごとの可変プールは事業者の経路集約に便利だが、再接続後の端末、DNS名、家庭内サービスには再番号付けの負担が生じ得る。
停電が終われば回線も戻る。そこで「復旧」と表示するのは事業者の画面だ。家庭の画面には、昨日まで動いていたカメラの接続先が消えているかもしれない。同じ再接続を、二つの台帳が別々に数えている。
Jan Zorzを含む11人が著したRIPE-690は2017年10月16日に公開された。Zorzは後にIPv6作業部会へ公表を知らせ、共同執筆者と貢献者に謝意を示した。文書の焦点は、エンドユーザーに渡すプレフィックスの大きさと、それを継続して使わせるかどうかだ。登録機関が強制する配分政策とは役割が違う。
大きさについては/48か/56を推奨する。/64一つではLANを一つ作れば終わりで、家庭内のゲスト網や小規模事業所の分割に余裕がない。しかし十分な大きさを渡しても、接続のたびに別のプレフィックスへ替えるなら、住所録は落ち着かない。
可変割当には事業者側の利点がある。接続終端ごとにプールを置けば、内部経路をまとめやすい。固定的な割当には、顧客、所在地、プレフィックスを結ぶプロビジョニング情報が要る。文書はその手間の行き先を追う。CPEの再起動で委任プレフィックスが変われば、LAN内の機器は古いアドレスを捨て、新しいものを受け取る。小さなサーバーやカメラ、固定名で呼ばれるサービスも影響を受け得る。すべての機種が同じ失敗をするという話ではない。著者らは可変割当を選ぶなら、実際に顧客へ配るCPEの動作を検証するよう求めている。
WAN側の接続アドレスと、顧客LANへ経路付けするプレフィックスは分けて扱える。後者を維持してもアクセス網の設計全体が縛られるわけではない。文書は安定した名前による新サービスや解約率への可能性にも触れるが、効果の実測値は示していない。
Zorzらの議論は、IPv6のビット数を誇る前に、そのビットが動いたときの作業を誰に請求するのかと迫る。
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