要約

  • APNICの法務顧問Jeremy Harrisonは、対象となる選挙で再選資格を持つECメンバーは、選挙委員会の選任協議から退き、選任決議を棄権すると述べた。
  • 2025年9月の議事録には、2026年選挙委員会の任命決議で3人が棄権したとある。細則はECに委員会の任命権を与え、候補者資格と行動規範の審査権限を定めている。
  • メンバーはこの回避慣行を細則に盛り込むべきかと公開の場で質問した。記録されたのは質問とECへの案内であり、正式な改正案や評議会決定ではない。

公開コメントで説明された慣行

APNICのEC議長Kenny Huangは8月27日の会合予告で、2027年EC選挙を監督する選挙委員会の任命をECが検討すると記した。委員会は推薦手続き、候補者の適格性、選挙中の行動を扱う。コメント欄では、再選を目指す可能性のある理事が、次の選挙を監督する機関の選任に関与する場合の利益相反が問われた。

9月7日、法務顧問兼会社秘書のJeremy Harrisonは、該当選挙で再選資格のあるECメンバーには重大な利益相反があると回答した。選任の議論から退席し、決議を棄権するという。Harrisonはこれを選挙委員会の発足以来続く慣行と説明し、2025年9月のEC議事録を例に挙げた。(EC議長の会合予告とコメント)

議事録は棄権を記すが、理由までは記さない

2025年9月7〜8日のEC議事録、第8議題には、2026年選挙委員会の5人を任命する決議2025-17がある。決議は可決され、Vincent “Achie” Atienza、Sumon Ahmed Sabir、Kam Sze Yeungの3人が棄権者として記録された。ただし議事録自体はその理由を説明していない。後日のHarrisonのコメントは回避慣行の一般的な背景を示すが、個別の利益申告や全ての議論を記録したものではない。(2025年9月EC議事録、第8議題)

選挙委員会は諮問機関にとどまらない。2026年2月12日付のAPNIC細則では、第42条が各EC選挙での委員会設置を義務付け、3〜7人をECが任命すると定める。委員会は候補者の資格を判断し、行動規範を定めて適用し、所定の条件下で候補者を除外できる。第43条は別に、結果に重大な利害を持たない独立した選挙議長を要求する。公開本文にHarrisonが述べた理事の回避は明記されていない。細則ページの状態は「DRAFT」だが、同時に2026年2月12日の会員決議で改正されたと説明しているため、この表示上の食い違いも資料の一部として扱う必要がある。(APNIC細則)

焦点は慣行を検証できる記録

質問したメンバーは後に、回避を細則化すべきか、前任委員会の継続人事の推薦が間接的な利害を生まないかも尋ねた。9月15日、Harrisonは提案をMyAPNICやAPNICのウェブサイト、会員会合のオープンマイクを通じてECに伝えるよう案内した。正式な細則改正、会員による任命の承認、ECの決定が発表されたわけではない。(APNICのコメント欄)

見えている権限の流れは三段階だ。会員がECを選び、細則はECに選挙委員会の任命を委ね、その委員会が候補者の適格性を扱う。そして法務責任者は、再選資格のあるECメンバーが任命の議論と採決を回避すると説明する。誰が対象で、誰が退席し、決議がどう成立したかを公開すれば、違反を前提にせずともこの境界を会員が確かめられる。