要約

  • Google Cloudの四半期売上高は307億900万ドルで前年同期比103%増。TPUシステム販売が重要な寄与をしたとAlphabetは説明するが、金額を分けていない。
  • Cloudの営業利益は111億2100万ドル。共通AI研究開発などを含むAlphabet本社側の費用は、このセグメント利益の外に置かれる。

クラウドに出荷口ができた

Alphabetが米SECに提出した決算資料では、2026年7~9月期のGoogle Cloud売上高が307億900万ドルだった。前年の151億5700万ドルから103%増えた。同じ資料はTPUシステムの販売も成長に大きく寄与したと記す。Cloudの製品売上は主にTPUシステム販売から生まれる、とセグメントの説明にもある。しかし製品売上の金額は独立して載っていない。

機器を売って引き渡す収入と、計算資源を使った分だけ継続的に払ってもらう収入は、次の四半期に持ち越す力が違う。AlphabetのCloud売上高には両方が入る。総額は分かっても、TPUの販売がいくらでサービスがいくらか分からない。103%という伸びをそのまま継続サービスの伸びとして扱えない理由はそこにある。

利益の境界も確認したい。Cloudの営業利益は前年の35億9400万ドルから111億2100万ドルへ増えた。セグメント売上高で割ると利益率は約23.7%から36.2%へ上がる。一方、Alphabetレベルの活動は76億5500万ドルの営業損失で、前年の44億6700万ドルより大きい。会社はここに共通のAI研究開発を主として計上し、共有インフラの使用費や本社費用も含める。これらはCloudセグメントの営業利益には入っていない。損失全額をCloudへ付け替える根拠も示されていない。

親会社の現金支出は重い。四半期の有形固定資産購入は513億5500万ドル、営業キャッシュフローは422億9000万ドルだった。会社の定義によるフリーキャッシュフローは90億6500万ドルのマイナス。いずれもAlphabet全社の数字で、Cloudだけの設備費ではない。売上の中身と費用の持ち主を見分ける必要がある規模だ。

Cloud事業が大きく稼いだ事実は変わらない。次に必要なのは、TPU装置の販売額と、共通AI研究費を事業に結びつける手掛かりだ。「クラウド」という一語の下で、継続課金と箱詰めした機械が同じ列に並んでいる。

出典