要約

  • GACは10月26日のバリ声明で、系列外のプライバシー・代理サービスが扱う顧客情報の請求でも、登録事業者が内容に即して審査する義務を求めた。
  • 緊急請求には24時間以内の回答を求める。ICANNが進める広範な認定制度の完了予定は2027年だ。

窓口の看板は登録事業者に掛かっている。ところが利用者の情報は別会社の引き出しにある。請求した人にとって、この間の廊下がいちばん長い。

GACのバリ声明は、廊下の途中で請求が消えるのを防ぎたい。正当な請求であれば、サービス提供者が登録事業者の系列外でも、登録事業者が顧客情報の開示請求を内容に沿って検討すべきだという。緊急請求には24時間以内の回答を求め、下流のサービス提供者にも将来のコンセンサスポリシーを守らせる責任を登録事業者に負わせたい考えだ。これはGACの要求であり、これから制度の文章になる部分である。

ICANNの説明を読むと、引き出しの位置が重要だと分かる。プライバシーサービスでは利用者が登録上のドメイン保有者のままで、公開連絡先だけが代替される。代理サービスでは提供者自身が登録上の保有者となり、利用者にドメインの使用を認める。登録事業者が請求を受けても、保有情報と開示判断の所在は契約形態によって変わる。

ICANNの現行案内が説明する2013年の登録事業者契約は、系列のある提供者に利用条件、苦情窓口、処理手順などの公表を求めている。さらに広い認定制度は実装中で、完全実施後は未認定の提供者が関わる登録を、登録事業者が承知のうえで受け入れられなくなる。ICANNの進捗表は完了見込みを2027年としている。バリ声明は、この制度に「系列外との受け渡し」を書き込めと迫った。

受け付けた時刻、請求者の確認、提供者への連絡、開示判断、回答者。必要なのはこの五つがつながる記録だ。24時間以内の回答と、顧客情報を渡す判断は別の仕事である。担当が決まらないまま時計だけ設置しても、時間を計る対象はたらい回しになる。

原資料:GACバリ声明、ICANNの制度説明、実装状況。