要約

  • 2004年、クライアント5.0で収集サーバーが導入され、元の作業サーバーに届かない結果を預かれるようになった。
  • 2009年6月の障害報告には、負荷による停止、復旧、旧設備と新設備の併存を支える運営側の負担が記されている。

寄付した計算時間にも、受取確認がほしい。Folding@homeで自分のパソコンを研究に貸した人にとって、処理が終わることと、成果が研究者へ届くことは、別々の段階だった。

このプロジェクトは、公式年表によれば2000年10月、Stanford UniversityのVijay Pandeの研究室で始まった。参加者はソフトを入れ、分子シミュレーションの仕事を受け取り、計算結果を送り返す。パソコンの持ち主には、電源を切る自由も、参加をやめる自由もあった。

受け取る側には、そうした一台一台の成果を研究につなぐ仕事が残る。計算を世界中へ配ると、返送窓口にも世界中から荷物が来る。

仕事の提出先をもう一つ

2009年の技術論文は、2004年にクライアント5.0へ加わった収集サーバーを説明している。通常、計算結果は仕事を渡した作業サーバーへ戻る。その相手が応答しないとき、指定された収集サーバーへ送れる仕組みだ。

収集側は、発行済みの仕事の記録と照合して結果を受け入れ、貢献を記録する。元の作業サーバーが復帰したら、預かった結果を渡す。その間、クライアントは稼働中の作業サーバーから次の仕事をもらえる。

待つ場所が変わった。参加者が壊れた提出先の前に居続ける代わりに、プロジェクトが成果を預かる。

復旧するサーバーにも利点がある。返送待ちのクライアントが一斉に押し寄せる量を減らせるからだ。修理が終わった瞬間、待っていた客でまた倒れる。そんな開店祝いは、管理者にはありがたくない。

裏方にも修理の時間が要る

それでも受取窓口の維持は続く。2009年6月16日の報告でPandeは、GPUサーバーの一台が深刻に故障し、ルートパーティションを見つけられない状態だと説明した。ほかの二台も高負荷で停止したが、こちらは復旧していた。

チームは旧システムを動かしながら新基盤を導入しており、余裕がなかった。収集サーバーの改善と、高負荷でも再起動が少なくて済む作業サーバーは、更新で目指す効果だった。目の前の障害が、その導入を遅らせてもいた。

技術論文には、従量課金の回線やモデムを使う参加者、CPU使用率の設定、個人やチームのポイントも登場する。世界規模の計算網は、こうした身近な都合を抱えた人たちでできていた。結果を受け取って記録する行為は、その人の負担に返事をする行為でもある。

論文の結論は、参加する計算機を増やす際の制約が、結果を扱い、保存し、後処理する基盤に移っていると述べる。パソコンを借りる呼びかけには勢いがある。その勢いを研究につなぐには、提出窓口の番を続ける人が要る。