要約

  • 2009年、Googleは重複ページの発行者に rel="canonical" という申告手段を渡した。検索結果に使ってほしいURLを示せる一方、同社は当初から「強いヒント」と説明した。最終的に代表を選ぶのは索引側だ。
  • 2012年のRFC 6596は、連載記事の2ページ目を1ページ目の重複と誤って申告すれば、2ページ目の固有の内容が処理対象から落ちうると警告した。URLをそろえる小さなタグには、本文を消す力もある。

店の棚札が増えすぎた

一つの商品に、通常のURL、分類を付けたURL、広告計測用のURL、セッション番号付きのURLが並ぶ。人には同じ商品でも、検索ロボットには別々の住所だ。Googleが2009年2月12日に発表した仕組みは、重複側のHTMLの <head> に <link rel="canonical" href="..."> を置き、店が望む代表住所を知らせるものだった。

このタグは訪問者を転送しない。検索索引に向けて「こちらを代表にしてほしい」と告げる。Googleはリンクの評価などを望ましいURLにまとめられると説明しつつ、命令かという質問には「強いヒント」と答えた。店主は自分のサイトが増やした住所を把握する。検索会社はクロール結果とリンク、重複の集まりを持つ。申告権と選択権は同じ手に渡らなかった。

発表文に後から加わった日付も見逃せない。初めはサブドメイン間の指定を認め、まったく別のドメインには使えないと説明した。2009年12月17日の追記で、ドメインをまたぐ指定にも対応したと記した。最初から広域の移転手段だった、と書けば機能が広がった経緯を消してしまう。

RFCが書いた「代表」の条件

2012年4月の RFC 6596 は、canonicalを重複内容または元ページを含む内容に対する優先IRIとして定義した。HTMLのタグだけでなくHTTPの Link ヘッダーでも表現できる。受け取るプログラムは代表だけを索引化し、リンクの評価を集め、代表URLを表示しうる。規格は可能な処理を記しているのであって、すべての検索サービスに同じ結果を強制する書面ではない。

危険が見えるのは複数ページの記事だ。第1ページと第2ページにはそれぞれ別の文章があり、全文表示ページには両方が入る。二つのページから全文版を指すなら、代表は内容を包含している。第2ページから第1ページを指したら話が違う。RFCは、第2ページ固有の文章が重複として無視されかねないと明記した。ブラウザーから第2ページは開けても、検索索引ではその部分が欠ける。

RFCは一つの資源に一つの指定を勧め、エラーを返す宛先や別のURLへ連鎖する宛先を避けるよう求める。指定が不適切なら、受け手はそれを無視して独自の推定を使える。現在のGoogleの説明も、複数のシグナルから代表を決め、サイト側と違うURLを選ぶ場合があるとする。今日の運用を2009年にさかのぼらせる必要はない。当時の「ヒント」という一語に、この分業はすでに入っていた。