要点

  • Oscar RoblesはAlan Barrettの残任期間を引き継ぐ。区切りは2027年11月4日の年次総会閉会時だ。
  • 9月の募集は、その後に始まる3年間の任期に向けたもの。8月の人事を白紙に戻したわけではない。

「選任した」という発表の3週間後に、同じ席の「候補者募集」が出る。見出しだけを追えば、人事がやり直しになったようにも見える。ICANNの理事会9番席をめぐる二つの告知では、読み落としてはいけない言葉があった。任期である。

ASO ACの2026年8月25日の発表は、Alan Barrettの死去によって生じた欠員をOscar Roblesで補うという内容だった。残る任期はICANN90の年次総会が閉じる2027年11月4日まで。一方、9月15日の募集が対象とするのは、2027年の年次総会終了後に始まる新たな3年間だ。

本記事の旧版は、席を埋めた後に理由も示さず再募集したと記した。しかし両告知は、それぞれの任期を明示している。説明が欠けていたのではなく、こちらがその違いを取り違えていた。

正式な指定は文書に残っている

Roblesの就任を、理事会による追加承認待ちとして扱うのも適切ではない。8月21日付の書簡で、Empowered Community Administrationは残任期間の理事としてRoblesを正式に指定している。ASOの現行一覧にも、2026年8月から2027年11月までの在任期間が載る。

ICANN定款9.2では、9番席と10番席の候補者を指名するのがASO AC、指定するのがEmpowered Communityという役割分担になっている。7.12は欠員補充者が前任者の残任期間を務め、後任者が指定され資格を満たすまで在任することを定める。「理事会がもう一度採決する証拠」を探すと、確認すべき手続きそのものを間違える。

日付には一つ注意点がある。臨時選考の経過表は正式指定を8月18日としているが、指定書簡の日付は21日だ。本稿では書簡の日付を採用する。この食い違いだけで、次期募集を現職人事の撤回と読むことはできない。

応募できる入口は同じではない

二つの選考で注目すべき違いは、候補者の集め方にある。ASO ACは7月1日、選考手続き9.5.3の臨時方式を選んだ。評議員が少なくとも2人を推薦する方式で、今回の欠員補充には公募もパブリックコメントもなかった。ただし、臨時選考がすべてこの方式になるわけではない。9.5.2には公募を行う選択肢もある。

現在進む通常選考では、誰でも推薦でき、自薦も可能だ。締め切りは2026年12月15日23時59分UTC。推薦された時点で適格候補になるのではなく、Qualification Review Committeeが必要書類と資格を確認する。適格候補が2人に届かなければ、募集期間は延長される。

参加を考える人にとって重要なのは、この入口の違いだ。既に埋まった欠員を争うのではない。2027年に始まる任期の候補者として、期限までに必要な手続きを終えることになる。

推薦元の「一票」にはならない

ASOはインターネットの番号資源に関する政策をICANNの統治につなぐ。2019年の覚書はICANNとNROの間で結ばれ、NROがASOの役割を担う枠組みを定める。旧版が書いたASOとNROの合意ではない。

だが、番号資源の分野から選ばれることと、推薦組織の代理人として投票することは別だ。定款7.7は、理事が自分の合理的な判断に基づきICANNの最善の利益のために個人として行動し、推薦元や雇用主の代表として行動しないよう求めている。

候補者がどんな経験を持ち込むかは選考の争点になり得る。その経験を、外部組織が理事の票を握る仕組みと取り違えてはならない。今後確かめるべきは次期候補者と選考の進展であり、9月の告知によって現職が失職したかどうかではない。

2026年10月25日訂正:旧版は残任期間と次期任期を混同し、既に文書で確認できる正式指定を未確定として扱った。覚書の当事者も訂正した。元のURLと公開日は維持している。