要約

  • RHnetの2002年1月と8月の記録によれば、Síminn経由の予備接続もCANTAT-3を利用していた。論理的に分かれた二つの経路は、同じ物理的な障害点を共有していた。
  • 8月のケーブル障害後、衛星が緊急の代替手段になった。記録には往復遅延が約600ミリ秒とあり、衛星サービスの準備後もRHnetの再接続まで時間差があった。

予備経路は主経路と一緒に失われる

RHnetの記録で重要なのは、CANTAT-3が故障したことだけではない。別の事業者がいても、なぜ研究ネットワークの国際接続を保てなかったのかという説明だ。1月の記録では、RHnetの外部接続が23時26分ごろ切れ、Síminn経由で米国へ向かう予備経路も使えなくなった。どちらもCANTAT-3に依存していたようだ。ほかのアイスランドのインターネットサービスもその時点では止まっていたようだと記されるが、全国的な計測値も停止時間の確定値もない。

8月28日には依存関係が明確になる。06時13分のCANTAT-3障害により、Síminnの予備経路も同じケーブルを通っていたため、RHnetはNORDUnetに接続できなくなった。「予備」とは別のサービス経路を指し、独立した海底経路を意味してはいなかった。ある層では冗長でも、別の層では共通のリスクを抱えていた。

この差はネットワーク図では見落とされやすい。事業者、ルーター、契約、引き渡し地点が別でも、同じケーブル、陸揚げ局、電源、陸上区間へ収束することがある。RHnetの記録は構成全体を描いてはいないが、期待された代替サービスがCANTAT-3を迂回できなかったことを確認できる。

衛星は接続を回復したが、サービスの性質は違った

経過は「ケーブル障害、衛星が即座に引き継ぎ」と要約できない。8月28日15時30分にはSíminnの衛星サービスが利用可能だったが、RHnetはルーターの問題で切断されたままだった。RHnetが衛星経由でつながったのは17時20分である。記録は往復遅延を約600ミリ秒としている。これは一度の障害時の観測値で、アイスランド全体の衛星遅延を示すものでも、アプリケーション性能を包括的に評価したものでもない。

経路の復旧後、RHnetは同日22時23分にCANTAT-3へ戻った。9月初めには計画作業のため衛星に切り替え、9月9日にNORDUnetへの直接経路が復旧した。復旧には事業者側の準備、RHnet機器の設定、ケーブルの利用可能性が関わった。予備サービスを購入しておけば自動的に切り替わるわけではない。

8月29日に転載された通知は、フェロー諸島と英国の間で損傷があったと説明する。報告されたのは絶縁不良と漏電で、光ファイバーは切れておらず、ケーブルには両端から給電していた。修理まではサービス品質が低下していた。「ケーブル障害」は光ファイバーの断線だけでなく、給電や保護に関する故障によるサービス中断も指しうる。この通知から、すべての通信経路が同じ仕方、同じ時間だけ影響を受けたとは言えない。

二本目のケーブルが計画上の課題を変えた

CANTAT-3は1994年以来、アイスランドの国際通信を担ってきた。2006年、EFTA監視機関は過去の障害を記録し、第二の接続手段としての衛星の制約を説明した。コスト上昇が見込まれ、遅延に敏感な一部のインターネット通信には適さないという。決定文によると、Fariceは2002年に設立され、アイスランド、フェロー諸島、英国を結ぶ別の海底ケーブルを開発した。資金計画には公的保証と支援が含まれていた。

アイスランド政府は2003年9月にFARICE-1の陸揚げを発表し、2004年1月のサービス開始を予定した。発表ではCANTAT-3の100倍を超える容量が示され、国際接続容量と安全性の向上が説明された。陸揚げは建設上の節目であり、その日にサービスが始まった証明ではない。容量の数字から実際の利用量や信頼性も分からない。

2006年、政府は利用可能な衛星予備回線では電話サービスを少し超える程度しか運べないとして、別ルートを計画すると発表した。これは当時の政府による耐障害性の説明であり、全利用者を対象とした試験ではない。複数のケーブルが選択肢になるには、経路、陸揚げ局、電源、陸上バックホール、運用手順が同じ障害領域を避ける必要がある。

この事故から分かること、分からないこと

RHnetの記録は、共用していた物理経路、衛星という代替手段、ルーターの問題、実測された高い遅延など、復旧の仕組みを具体的に残している。一方で対象は限られる。RHnetは研究・教育ネットワークであり、すべてのアイスランドの事業者、顧客、サービスを代表しない。1月にほかのサービスへ触れた記述は当時の観察で、全国規模の障害統計ではない。

実務上の教訓は、二つの経路を同時に失わせる故障を想定して冗長性を試し、予備回線が実際にどのサービスを支えられるかを確かめることだ。別事業者との契約は物理的な経路分離の証拠にならない。新しいケーブルの公称容量も、陸上経路の独立性、空き容量、修理中の継続性を証明しない。見るべきなのは、図の下にある実際の経路と、必要時に観測された振る舞いだ。

参照資料