- 組織は、特定の目標に応じて、リホスト、リロケーション、リファクタリングなどのクラウド移行戦略を選択できます。
- クラウド移行には、大量データの転送ロジスティクスなど、技術的およびスケーラビリティの課題への対応が伴います。
- クラウド移行を成功させるには、技術的スキルだけでなく、新しいクラウドテクノロジーを採用するための組織文化の変革も必要です。
クラウド移行とは、データ、アプリケーション、IT リソースなどのデジタル資産を、オンプレミスインフラからクラウド環境へと移動させることです。この戦略的な移行により、組織は拡張性、柔軟性、コスト効率の向上など、クラウドコンピューティングの高度な能力を活用できるようになります。
計画的なクラウド移行アプローチを採用することで、組織はワークロードに優先順位を付け、中断を最小限に抑え、クラウドテクノロジーのメリットを最大化できます。ただし、移行プロセスには技術的な複雑さやスケーラビリティの課題も伴い、新しいテクノロジープラットフォームに適応するための組織的なスキルと文化の進化が必要です。
クラウド移行とは何か
クラウド移行とは、データ、アプリケーション、IT リソースなどのデジタル資産をクラウドに移動させるプロセスです。従来、組織はオンプレミスのデータセンターで、自己管理型の IT インフラ上でアプリケーションや IT サービスを実行していました。
中には、数千ものデータベース、アプリケーション、システムソフトウェアをオンプレミスで稼働させている組織もあります。クラウドに移行する際には、これらのワークロードを、計画的かつ中断を起こさない方法で、オンプレミスのデータセンターからクラウドプロバイダーのインフラへと移行します。クラウド移行戦略を用いることで、ワークロードに優先順位を付け、計画的にテストを行い、段階的に業務をクラウドに移行できます。
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クラウド移行の種類
組織がクラウドをうまく採用するために使われる、一般的なクラウド移行戦略は複数あります。どの戦略を選ぶかは、ビジネスニーズ、技術的な課題、移行によって達成したい成果などの要因によって決まります。
リホスト:リホストとは、アプリケーションのコンポーネントを、ほとんどまたはまったく変更を加えずにクラウドに移行することです。基本的には、現在の環境にあるものをそのまま「リフト&シフト」でクラウドインフラに移行します。アプリケーションアーキテクチャの変更が不要なため、多くの場合、最も迅速な移行方法です。
ただし、既存のアプリケーション設計のすべてが、クラウド環境が提供する機能を最大限に活用できるわけではありません。そのため、このクラウド移行戦略が、クラウドのメリットを最大化するための最善のアプローチとは限りません。
リロケーション:リロケーションは、「リフト&オプティマイズ」とも呼ばれます。このアプローチでは、アプリケーションを大幅に変更することなくクラウドに移行します。ただし、クラウドに移行した後で、クラウド中心のサービスに移し替えることがあります。
例えば、データベースをクラウドに移行した後、ホスト仮想マシン(VM)からマネージドデータベースサービスに移行することがあります。これにより、大規模な初期リファクタリングを行わずに、クラウド中心の機能のメリットを一部得ることができます。
リファクタリング:リファクタリングとは、クラウド中心の機能を最大限に活用するために、アプリケーションを再設計するプロセスです。例えば、モノリシックなアーキテクチャをマイクロサービスに分解したり、既存のモジュールを完全マネージドのクラウドサービスに置き換えたりします。組織は、機能の追加、スケーリング、パフォーマンスの向上が必要であり、それがアプリケーションの既存環境では達成が難しい場合に、このアプローチを選ぶことがよくあります。
クラウド移行の課題
技術的な複雑さ:既存システムの技術的な複雑さを特定し、適切に対処する必要があります。例えば、一部のアプリケーションは相互に依存している場合があり、1 つだけを移動させると他の運用に支障をきたす可能性があります。レガシーシステムはクラウド環境と互換性がない場合があり、大幅なリファクタリングや、場合によっては完全な再開発が必要になることもあります。
スケーラビリティの課題:多数のアプリケーションをクラウドに移行するには、段階的な取り組みと計画が必要です。例えば、大量のデータをクラウドに転送する際、帯域幅が限られていると時間がかかることがあります。移行後に問題が発生した場合、以前の状態に戻すのは複雑で時間を要する可能性があります。相互に依存する移行では、アプリケーションを一時的にオフラインにする必要が生じ、ビジネス運営に影響を与えることもあります。
スキルギャップ:従来の IT 環境に慣れている社内チームにとって、クラウドプラットフォームは馴染みが薄いかもしれません。また、従業員がクラウドの導入に消極的な場合もあります。組織は既存のスタッフをトレーニングするか、必要なクラウドスキルを持つ新しい人材を採用する必要があります。しかし、それ以上に、チームが新しいクラウド移行ツールやプロセスを受け入れ、効果的に活用できるようにするためには、社内文化を変える必要がしばしばあります。

