要約

  • ICANN理事会は2018年5月17日、同月25日のGDPR適用開始に間に合わせるため、gTLD登録データの義務を変更する暫定仕様を採択した。レジストリとレジストラを拘束した一方、90日ごとの再確認が必要で、最長でも1年しか存続できなかった。
  • 有効期限は緊急権限と同じくらい重要だった。恒久的な権限は、GNSOの迅速化ポリシー策定、理事会採択、暫定ポリシーを経て、2025年8月発効の登録データポリシーへ移された。

ルールより先に時計が動き始めた。2018年5月17日、ICANN理事会はgTLD登録データに関する暫定仕様を承認した。発効日は5月25日で、GDPRの適用開始日と同じだった。組織としての決定から実務上の義務まで、わずか8日である。

共通の変更がなければ、ICANNの契約体系は内部矛盾に直面した。レジストリとレジストラには、既存の契約とポリシーに基づき登録データを収集、公開、移転、保存する義務があった。他方、GDPRは個人データを合法的に扱う条件を変えた。各契約当事者が独自に対応すれば、制度は調整されるのではなく、公開・非公開・移転の方法がばらばらになる。

理事会は無制限のプライバシー権限を主張しなかった。レジストリ契約とレジストラ認定契約にある暫定ポリシー手続を用い、即時導入がレジストラサービス、レジストリサービス、DNSまたはインターネットの安定性や安全性の維持に必要であり、変更は実行可能な限り狭く設計されていると判断した。手続上、理事会の3分の2以上の賛成も必要だった。

暫定仕様は実務を直接変えた。登録データの収集は維持しつつ、大半の個人データを公開表示から外した。正当かつ相応の目的を持つ者が非公開データをレジストラやレジストリに求める経路と、匿名化メールまたはウェブフォームによる連絡手段も残した。契約上の適用範囲では、発効日から矛盾する要件に優先した。

ただし、この道具には終点が組み込まれていた。最初の有効期間は90日。継続には90暦日ごとの理事会再確認が必要で、暫定期間の合計は1年を超えられない。2018年8月21日の決議では、理事会が必要性と限定性を改めて確認し、さらに90日延長している。

この仕組みは権限を一か所に集めず、分けた。理事会は橋を架け、更新できた。レジストリとレジストラは義務を実装し、適用法に従って個別の開示を判断した。しかし理事会の緊急仕様は、自力で恒久ポリシーにはなれない。永続的な合意ポリシーにはGeneric Names Supporting Organizationの手続が必要だった。

GNSO評議会は2018年7月19日に迅速化ポリシー策定プロセスを開始した。チームの任務は、GDPRなどに適合しながら暫定仕様をそのまま、または修正して合意ポリシーにするかを検討することだった。フェーズ1最終報告書は2019年2月20日に公表され、理事会は同年5月15日に明示した例外を除いて勧告を採択した。

引き継ぎは一瞬では終わらなかった。2019年5月からは暫定登録データポリシーが、詳細なポリシー完成まで暫定仕様と整合する措置の継続を求めた。登録データポリシーは2024年2月に公表され、同年8月に移行期間へ入り、2025年8月21日に発効した。公式ページには、緊急の合法的開示要求の期限に関する2026年5月の更新も記録されている。

長い実装期間は、最初の緊急措置を理事会の恒久立法へ変えたわけではない。権限の根拠が移ったのである。GNSOの勧告と理事会採択が合意ポリシーの根拠となり、暫定制度が連続性を保ち、実装作業が勧告を運用可能な要件にした。

この設計はWHOIS以外にも示唆を持つ。2018年の仕組みは法的期限前に契約義務を変更できるほど強力だったが、理由の明示、特別多数、定期的再確認、絶対的な期限、そしてコミュニティのポリシー手続への即時移行と結び付いていた。正統性の核心は、緊急措置がすべてを解決したことではない。実行可能でありながら、本当に失効することだった。

出典