要約

  • Sander Steffann、Nataliia Pohorska、Viktoriia Opanasiukは、圧力下での資源移転を恐れるウクライナの保有者の声を受け、RIPE提案2023-03を共同執筆した。
  • 実施された制度では、IPv4・IPv6の割り当て全体やAS番号を、合意した期間だけ通常の移転から守れる。始まったロックは保有者本人にも途中解除できない。

登録簿の担当者には、申請書の署名を確かめる仕事がある。だが署名が本物でも、その場の自由な意思まで紙からは読めない。ウクライナの事業者が移転を強いられる危険を訴え、RIPE NCC理事会は2022年12月に六か月の暫定的な移転防止策を用意した。恒久策は政策策定手続きに委ねられた。

そこでSteffannはPohorska、Opanasiukと提案2023-03を書いた。保有者が対象資源と期間を明示し、RIPE NCCと開始日・終了日を合意する。期間中、登録機関は対象資源の通常の移転申請を処理しない。あとから保有者が考えを変えても、期限は短くならない。使う前に決めた不便さこそ、この鍵の強さである。

正式文書RIPE-806は、RIPE NCCに登録された移転可能なIPv4、IPv6、AS番号を対象とし、割り当てや指定は全体単位で選ぶ。レガシー資源、LIRによる再割り当てや指定は対象外だ。推奨期間は六、十二、二十四か月。申請案内によれば、承認日から効力が生じ、途中取消しはできず、更新を求めなければ満了時に自動で解ける。

提案は2023年10月20日に受け入れられ、2024年1月3日に実施された。合併・買収や法的命令には別の扱いがある。三人が形にしたのは万能の金庫ではない。登録機関が「先に受けた指示」を確認し、後日の通常の移転申請に対して期限どおりに止まる仕組みだ。